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【ビジネスパーソンの必読書】『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』『宅配がなくなる日 同時性解消の社会論』『デザインの次に来るもの』

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『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』『宅配がなくなる日 同時性解消の社会論』『デザインの次に来るもの』

ビジネスパーソンの必読書更新
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 酷暑、豪雨被害、ヒアリ上陸…。自然現象に起因する大問題が続々と発生している。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げるが、こうした諸問題はさまざまなことに気づくきっかけにもなる。日々の備えがどれほど大切かということも、改めて認識させてくれる。(情報工場「SERENDIP」編集部

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 ■夜を楽しむには 『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』木曽崇著(光文社新書・740円+税)

 日本経済が持続的に成長するには、個人消費がカギとなる。指摘されるのがアフター5の「夜の時間」が十分に活用されていないことだ。本書では、観光イベント、飲食店、街の賑(にぎ)わい、そしてカジノを含むIR(統合型リゾート)など「ナイトタイムエコノミー」(日が落ちてから翌朝までに行われる経済活動)の振興について、国内外の事例を踏まえて論じている。

 英国は1990年代初頭からナイトタイムエコノミー振興に取り組む。ポイントは「街歩きの楽しさ」「飲食を伴う消費」だ。日本では、大規模イベントで通行者を誘導するために道の両側にバリケードを築く例も。これでは消費が発生しづらく、こうしたイベントは衰退している。

 新宿ゴールデン街などの成功例を見れば「夜の賑わい」に必要なものが見えてくる。その一つは、自治体ではなく商店街や若者など「当事者」が主体となることだろう。

 ■時間は個人資産 『宅配がなくなる日 同時性解消の社会論』松岡真宏、山手剛人著(日本経済新聞出版社・1500円+税)

 ネット通販物流の増大による運送業者配達員の加重労働が問題になり、宅配サービスそのもののあり方が問われている。本書はそんな宅配問題の解決策を探りながら「同時性解消」「時間資本主義」といったキーワードから社会の動きを論じる。

 著者の言う「同時性」とは、物事を遂行するのに2人以上の人間が同じ時間を共有している状態。コミュニケーションにおいて、対面や電話は同時性が要求されるが、メールでは同時性は不要だ。

 同時性が解消されれば、その分、自分にとって価値のある行動に時間を費やせる。そうやって「時間」を個人の資産のように考えるのが「時間資本主義」だ。

 宅配には同時性が要求される。本書で提案されているのは、ソフトドリンクの自動販売機のように町中に宅配ロッカーを配備するという案。防犯対策は必須だが、画期的な案といえよう。

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