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【山梨県庁ネコ捕獲大作戦】県、苦渋の「さくら猫」決断

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県、苦渋の「さくら猫」決断

山梨県庁ネコ捕獲大作戦更新

 山梨県庁に集まる野良猫問題への対応で、県は13日、愛護団体や地元自治会と連携し、捕獲・去勢の取り組みに踏み切った。庁内を管理する県財産管理課は当初、去勢手術後に元に戻すことに否定的だった。公共の場で身勝手なエサやりをする人を“飼い主”と位置づけ、責任をもって飼い続けるよう求めるとしていた。なぜ、方針が大転換したのか。

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 県によると、エサを与えている人を一部特定できたものの、自らを飼い主と認めず、県は対応に苦慮していたという。

 さらに、野良猫は狂犬病予防法で行政に係留(くさりなどでつなぐ)義務がある野良犬とは異なり、県職員が捕まえることも、保護施設に送ったり、殺処分したりすることもできない。

 このため、13日の捕獲でも、実際の作業を行ったのは県職員でなく、愛護団体のメンバーだった。

 一方、問題が顕在化した昨年10月以降、県庁に集まる猫の存在が注目され、TNR活動(野良猫を去勢し元に戻す)を行っている愛護団体が、協力を申し出るなど、民間の動きも出てきた。

 「とにかく増やさないことを最優先とした」(塩野開課長)。財産管理課は昨年末、方針を改め、申し出を受け入れた。去勢後に元に戻すTNRは、財産管理課にとって苦渋の決断だった。

 後押ししたのは、動物愛護を所管する衛生薬務課の「春の発情期を迎えれば急激に繁殖してしまう」という指摘だった。

 「野良猫の寿命は2~3年」(愛護団体メンバー)とされる。捕獲され、去勢手術を受ける県庁の「さくら猫」(去勢後とわかるよう耳をカットした猫)がどんな形で生涯を終えるかが、今後の焦点だ。

 衛生薬務課によると、県内では平成27年度に、犬79匹と猫945匹が殺処分されている。猫は飼い主が飼いきれなくなって持ち込まれたもので、このうち約8割が生後90日以下の子猫だった。

 県庁猫の捕獲作戦を主導した愛護団体「ノーモアアーリーキャッツ」の塩島亜貴さん(41)は、「県内で動物愛護は進んでいない。県庁の野良猫問題という象徴的な出来事をきっかけに、県民の愛護精神が高まればうれしい」と話している。(外崎晃彦)

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