産経ニュース for mobile

【解答乱麻】「国」の意識低い日本人に領土問題をどう教えていくか ジャーナリスト・細川珠生

記事詳細

「国」の意識低い日本人に領土問題をどう教えていくか ジャーナリスト・細川珠生

解答乱麻更新

 衆議院の「解散総選挙」が聞かれるようになった。早ければ12月のプーチン露大統領来日の前後、遅くとも年明けには行われるのではという臆測もある。ではもし選挙になったら、何を争点にするのだろうか。

<< 下に続く >>

 プーチン大統領来日で何らかの進展があることを見込み、「北方領土問題」を争点に? とも言われている。しかし、12月の日露首脳会談の結果がどのようなものであれ、仮に北方領土を争点に選挙を行うとして、国民はこの問題をどれほど理解しているだろうか。

 内閣府の平成25年10月の世論調査によると、北方領土問題の内容を「知っている」「ある程度知っている」と答えたのは合わせて81・5%。

 しかし、「聞いたことはあるが、内容は知らない」と答えた人も16・1%いる。北方領土問題を知った経緯については、91・3%がテレビやラジオと答えた。

 また韓国に不法占拠されている島根県の竹島については、95・1%の人が「知っている」と答えている。沖縄県の尖閣諸島も含め、日本人は領土について全く関心がないわけではないことはうかがえる。

 今から54年前の昭和37年の調査では、北方領土のソ連(当時)による占拠を知っていると答えたのは77%。当時沖縄はアメリカの施政下にあったが、そのことを知っていると答えたのは82%だった。

それらと比較すると、今の方が「領土」や「国」ということに対する意識は高まっているといえるかもしれない。しかし、北方領土については不法占拠され70年以上の月日が流れ、そもそもどのような経緯でこの現状を強いられているのかもよく分からないというのが、日本人の一般的な認識ではないだろうか。

 経緯が分からなければ、返還交渉における日本側の主張すべきこと、譲ってはいけないことなどを正しく理解し判断することもできない。

 高まりはあるかもしれないが、まだまだ日本人の「国」に対する意識は低い。

 平成26年の内閣府調査では、国家の要件として、「国民・領土・主権(調査では政府と表現)」を知っていると答えたのは、わずか63・9%であり、30・9%は「知らなかった」と答えている。

 義務教育課程で学んでいるはずの内容であるのに、また忘れてしまうような難しい内容でもないのに、このような結果が出るというのは、どれだけ学校教育で真剣に教えてきたのだろうかと疑いたくなる。

 北方領土問題を知った経緯も「学校」という回答は26・8%、竹島に至っては6・3%しかない。いかに教育の場で北方領土や竹島などの個別問題のみならず、「領土」や「国」について軽視してきたかが分かる。

プッシュ通知