産経ニュース for mobile

高齢者施設でO157集団食中毒 野菜は流水でしっかり洗う

記事詳細

高齢者施設でO157集団食中毒 野菜は流水でしっかり洗う

更新
1/2枚

 千葉県市川市と東京都羽村市の高齢者施設で8月下旬、腸管出血性大腸菌「O(オー)157」の集団食中毒があり、80~90代の男女6人が死亡した。2施設とも同じ給食サービス会社を利用していた。O157による食中毒は、夏から秋にかけて多発する。感染で重症化するリスクの高い高齢者や乳幼児は特に注意が必要だ。(平沢裕子)

<< 下に続く >>

                   ◇

 ◆浅漬けでも

 今回の食中毒の原因とみられるのが、2カ所の高齢者施設で夕食に提供された「キュウリのゆかりあえ」。市川市の施設を運営し、給食サービス会社の親会社でもある「SOMPOケアメッセージ」(岡山市)によると、輪切りにした生のキュウリを赤シソのふりかけであえた料理で、同じ業者から納入された野菜を使い、それぞれの施設で調理していたという。

 市川市の施設では52人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち男女5人が死亡。羽村市の施設では32人が発症、女性1人が死亡した。

 O157は牛などの腸管内にいる細菌で、糞(ふん)便とともに環境中に排泄(はいせつ)され、農業用水や堆肥などを介して野菜が汚染されることがある。今回のキュウリも生産や流通の過程で汚染された可能性がある。

 野菜が原因とみられるO157の食中毒はこれまでもたびたび起きている。平成24年に札幌市の高齢者施設などで白菜の浅漬けを食べた約170人が発症し、8人が死亡した。また26年に静岡市内の花火大会で売られた冷やしキュウリが原因で500人以上が発症、100人以上が入院した。

 食品衛生コンサルタントの笈川和男さんは「O157はきわめて少ない菌数でも食中毒を発症する。野菜はきれいに見えても汚染されていることがある」と指摘する。

 ◆大量調理は殺菌徹底

 食中毒予防のため、給食施設などが順守することを求められる厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、野菜について「流水で3回以上水洗い」「必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩)などで殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする」などとしている。

 SOMPOによると、2施設とも野菜は流水で洗っていたが、次亜塩での殺菌まではしていなかった。一方、同じ業者から仕入れたキュウリを加熱した上で使用していた別の高齢者施設では、食中毒は発生しなかった。

 笈川さんは「給食など大量調理するときは塩素消毒や加熱など十分な対策が必要」。NPO法人、食の安全と安心を科学する会(SFSS、東京都文京区)の山崎毅理事長も「殺菌に加え、調理者の手洗いや調理済み品の低温保管を徹底させるべきだ」とする。

プッシュ通知