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【話題の肝】「美容室で男性カット」やっと解禁?! 40年前の通知、実態に合わせ見直しへ

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「美容室で男性カット」やっと解禁?! 40年前の通知、実態に合わせ見直しへ

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 美容師は男性にカットだけのサービスを行ってはならない。理容師は女性にパーマを行ってはならない-。約40年前に厚生労働省(旧厚生省)が通知したこんなルールが緩和されることになった。美容師と理容師が同じ店舗で働けない規制も一部緩和へ向かう。政府の規制改革会議が「実情にそぐわない」と答申し、6月30日に閣議決定された。形骸化したルールが実態やニーズに合わせて見直されることになる。(高橋裕子)

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■「パーマ論争」の末に…

 ルールは昭和53年、旧厚生省の局長通知として各都道府県知事宛てに出された。厚労省は「刈り込みを主とした理容師法と、パーマを主とした美容師法で曖昧だった業務の範囲を明確にしたもの」だとする。

 背景には、「パーマ論争」と呼ばれる業界間の論争があった。全国理容生活衛生同業組合連合会によると、49年ごろ男性の長髪ブームが到来。法律で規定されていない、理髪店での男性のパーマや美容院での男性のカットが行われるようになり、「美容師の業務のパーマを理容師がやるのはいかがなものか」「美容師も理容師の業務の男性カットをやっている」と、激しい論争になったという。

 論争に決着をつけたのがこの通知だ。当時の業界団体同士が話し合い、「美容院では、パーマを伴うカットは男女を問わず認めるが、男性のカットのみは認めない。理髪店では、男性の仕上げパーマは認めるが、女性のパーマは認めない」との内容で合意。通知に反映されて現在に至っていた。

■安倍首相も美容院でカット

 だが時代は流れ、通知は実際には有名無実化。安倍晋三首相が美容院でカットしていることは知られているし、東急電鉄(東京)が昨年実施したアンケートでも、「美容院、理髪店のどちらを利用するか」との問いに、男性の20代以下では73.6%、30代では54.4%が美容院と回答していた。

 規制改革会議の作業部会では「実態に全く合っていない」「男性と女性によって分けるなんてあり得ない」との意見が相次ぎ、答申で今年度中に厚労省が規制を撤廃することとした。■両方の資格あれば同じ職場で勤務可能に

 一方、昭和23年の「理容師と美容師は同じ場所で働けない」とする規制も、全員が両方の資格を持っていれば来年度から認め、改正後5年をめどに再検討することになった。

 これは23年の「理容の施設と美容の施設とはそれぞれ別個に設けなければならない」という局長通知によるもの。

 「ひげそりの技術を習得していない美容師がひげそりを行う可能性が高まる」「刈り込み技術を学ばない美容師が刈り込みをしたら虎刈りとなるおそれが高い」。厚労省は規制の理由をこう説明する。

 だが、規制改革会議の作業部会で、「資格がある人とない人が同じ場所で一緒に働くケースはどんな世界にもある。わざわざ職場を別にする必要は全くない」などの意見が出て、今回の答申に至った。

 もっとも両方の資格を持っている理容師や美容師はそれほど多くないという。10年ほど前から規制緩和を訴えてきたヘアカット専門店「QBハウス」を国内外で展開するキュービーネット(東京)の松本修管理本部長は「撤廃にはほど遠い。今までのゼロ回答に比べ、ほんの少し反応があった程度」と指摘し、政府にさらなる緩和を求めている。