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普天間かおり初舞台「木の上の軍隊」 皆さんに「思い」手渡し

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普天間かおり初舞台「木の上の軍隊」 皆さんに「思い」手渡し

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 沖縄県出身の歌手、普天間かおり(43)が舞台「木の上の軍隊」で女優に初挑戦する。沖縄のアイデンティティーを胸に、初舞台へ熱い思いを燃やす。

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 舞台は井上ひさしが生前に残した資料本やメモを基に、蓬莱竜太が書き下ろし、平成25年に初演。今回はそれ以来の再演だが、蓬莱が上演台本を書き直し、普天間は琉歌を歌う“語る女”として登場する。

 演出の栗山民也と共通の知り合いである女性プロデューサーを通じ、普天間に白羽の矢が立った。

 「話を聞いて、ぜひやりたいと思ったのですが、演劇経験がゼロでしたので、不安も大きかったんです」と振り返る。稽古開始後、「これは大変なところに手を挙げてしまったな」と、1度は後悔がよぎった。共演者やスタッフの姿勢に圧倒され、「きりきりと胃が痛む毎日」が続いた。「皆さんに早く追いついて迷惑をかけないようにしないと」との思いが頭から離れなかった。

 ただ、「たくさんの人の思いがあってできた作品。私もそこに入ってお返ししないと」と、がむしゃらな日々を過ごし、2週間が過ぎた頃、「ようやく物語に心から入り込めるようになった」と実感できたという。

 舞台では、南の島で上官(山西惇)と新兵(松下洸平)がやり取りする。その間に「ガジュマルの木の精霊のような感じ」で、“語る女”が説明を交えつつ、舞台を回していく。「2人のやり取りを聞いていると、71年前の実際の出来事だけでなく、今の沖縄の状況も問われている感じがして胸が痛みます」

 琉球王朝の末裔(まつえい)でもある普天間は稽古開始前、首里城内にある先祖の墓参りに出掛け、「見守っていてください」と手を合わせてきた。八・八・八・六のリズムに乗せる琉歌を含め、自身の感じるところを「皆さんに手渡ししたい」と、熱い思いを静かに胸のうちに秘めながら話した。

 10~27日、東京・新宿の紀伊国屋サザンシアター。こまつ座(電)03・3862・5941。(兼松康)

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