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【Our World JAPAN】新技術でレベルアップの機会を得るゲームメーカー

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新技術でレベルアップの機会を得るゲームメーカー

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日本のゲームクリエイターは技術革新を利用し、ユーザー体験の向上と世界規模での消費者の囲い込みを図る

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1980年代、90年代の典型的なゲーム体験を振り返れば、恐らく多くの人が「スーパーマリオブラザーズ」や「ドンキーコング」、「ゼルダの伝説」など、任天堂のゲーム機で人気を博したゲームを思い浮かべるだろう。ところが2000年代に入り、任天堂ブランドは瞬く間に「コール オブ デューティ ブラックオプス」や「ワールド・オブ・ウォークラフト」、「グランド・セフト・オート」といったパソコン向けシューティングゲームの陰に隠れてしまった。

しかし最近、街中で人々が携帯端末向けアプリケーションを使って架空のキャラクターを捕まえる「ポケモンGO」の大流行により、任天堂の株価はここ数十年で初めての急上昇ぶりをみせた。任天堂の受け取る利益の割合が当初見込まれていたよりも少ないことが明らかになると株価はすぐに下落したものの、このブランドが従来型のゲームではなく、携帯端末向けゲームで再び脚光を浴びたという事実に変わりはない。これはここ数年のあいだ、かつて支配した市場において西洋のゲーム制作会社との競争で苦しんできた日本のゲーム制作会社が直面してきた課題の一つだ。

仮想現実 (VR)や拡張現実(AR)といった技術が新たな可能性を示す現在、ビデオゲーム産業でトップの座に返り咲くためにどの道を歩むべきなかを判断するのは難しい。携帯端末向けゲームの登場は、スマートフォンやタブレット端末を使って外出先でビデオゲームを楽しむユーザーの増加をもたらし、競争の現場にも大きな影響を及ぼした。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」 (11月に15作目が発表予定) といったロール・プレイング・ゲームで有名なスクウェア・エニックスなどの制作会社は、無料アプリとプレミアムアプリの両方のコンテンツ開発に取り組んでいる。

スクウェア・エニックスの松田洋祐社長兼最高経営責任者(CEO)は「現在、スマホ向けゲームのほとんどが無料で、プレミアムゲームのユーザーは専用の携帯型ゲーム機でプレーしている」と指摘。一方で「しかし、小型のゲーム専用機の市場が将来的に成長するかといえば、私の考えでは疑問だ」と続けた。

日本のユーザーはゲーム操作に特化した携帯型の装置でゲームをプレーするのに慣れ親しんできた。しかし、スマホの普及が急速に、特に若い世代のあいだで進むなか、こうした装置はもはやゲームのプラットフォームとして一番手の選択肢ではなくなっている。ただし、松田社長は「スマホの性能は小型のゲーム専用機と同等だ。利用者の行動に注目すると、上の世代はタッチパネルでゲームをプレーするのに困難を感じており、馴染みのインターフェースとコントローラーを使ってゲームをしたいと考えている」と指摘した。

一方で、10歳代や20歳代の若い世代はコントローラーに慣れておらず、携帯端末を使った方がより自然にゲームを操作できることが多い。これはユーザーが料金を支払う必要のない無料ゲームアプリのダウンロード数増加につながっており、開発者がどのようにしてコンテンツ利用者の対価を支払う意欲を引き出すかという課題を生んでいる。

松田社長は「プレミアムアプリを使うゲーム市場の問題点は利用者の認識だ。利用者の頭のなかには、全てのゲームアプリが無料で楽しめるべきだという期待がある。しかし、優れたコンテンツを品質に見合った適正価格で提示した場合、利用者が代金を支払うのは当然だと私は信じている」と語る。同社長によると、数あるプレミアムアプリを使うゲームのなかで、質の高いコンテンツにプレミアム料金を課金しているのは、基本的にスクウェア・エニックスだけだという。同社長はさらに「私たちは新作プレミアムアプリのライブラリをつくりたいと考えている。ライブラリをベースとしたビジネスは長期間にわたってキャッシュフローの発生につながる」と続けた。

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