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【主張】中国の産経拒否 報道自由は普遍的価値だ

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中国の産経拒否 報道自由は普遍的価値だ

主張更新

 中国の習近平国家主席は2014年、米中首脳会談後の会見で「中国は国民の言論の自由など正当な権利と、報道機関の利益を法規に沿って保護している」と述べた。果たして、そうか。

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 全国人民代表大会(全人代)閉幕後に行われた李克強首相の内外記者会見で、産経新聞の記者は出席を拒否された。

 全人代後の首相会見は外国の記者が中国指導者と直接向き合うほぼ唯一の機会であり、例年、産経記者も出席してきた。全人代当局は「座席数」を理由に出席に必要な「招待状」の交付を拒んだが、複数枚交付された新聞社もあり、会場には空席があった。

 会見締め出しの真意が報道規制にあることは疑いようがなく、強く抗議する。言論、報道、取材の自由は国際社会共通の普遍的価値である。「責任ある大国」の措置とは到底、いえまい。

 産経新聞は、文化大革命中の1967年9月に当時の柴田穂・北京支局長が中国政府により追放処分を受けた。98年9月に中国総局として再開されるまで、31年にわたり中国に常駐記者を派遣できない状態が続いた。

 再開は、日中両国民の相互理解のためである。そこには相互批判も含まれる。

 両国間には歴史認識や安全保障で立場や見解の違いが存在する。産経新聞が日本の国益や価値観に立脚する主張を続けてきたことは、表現の自由が保障される日本の新聞社として当然である。

 菅義偉官房長官がこの問題で、表現の自由や基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値について、「いかなる国においても、その保障は重要だ」と述べたのはもっともである。

 これまでも中国は査証(ビザ)発給や延長審査を外国人記者の規制に利用してきた。産経新聞は昨年9月まで、中国総局長のビザ発給が3年以上凍結された。中国要人の蓄財問題を報じたニューヨーク・タイムズなどもビザの発給が拒否された。

 意に沿わない報道や言論に対する対抗手段として、あまりに露骨ではないか。産経記者に対する首相会見への出席拒否も、同じ文脈にあるのだろう。

 日中は今年9月、国交正常化45年を迎える。両国関係の成熟には、普遍的価値をどこまで共有できるかが問われる。