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中国、尖閣での法執行規定 刑事罰明文化 日本船「摘発」根拠に

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中国、尖閣での法執行規定 刑事罰明文化 日本船「摘発」根拠に

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 中国の最高裁に当たる最高人民法院は今月1日、中国の「管轄海域」で違法漁労や領海侵入をした場合に刑事責任を追及できるとする「規定」を定めた。最高人民法院が海洋権益に関し具体的な条文で司法解釈を定めるのは初めて。規定の施行以降、中国は自国領海と主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での公船の活動を活発化させており、日本の排他的経済水域(EEZ)で公船から乗組員が中国漁船に行き来する「法執行」とみられる行動も確認されている。海事関係者は、背景に規定の施行があるとみて注視している。(加藤達也)

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 最高人民法院が示したのは、「中国の管轄海域で発生する関係事案審理における若干の問題に関する最高人民法院規定(1)」と「同(2)」。今月2日に施行された。中国の海域での違法行為の内容と管轄権や違反の事例を詳細に示し厳格な法執行を明記している。

 条文では海上の自国領域での環境汚染や、シャコやサンゴなどの生物、資源の違法採取を厳重に刑事処分することを強調した上で、「ひそかに国境を越えて中国領海に違法侵入」し「域外への退去を拒む」場合などに厳罰を科すことができるとしている。規定が適用される「管轄海域」については、「内水、領海、接続水域、EEZ、大陸棚」などとしている。

 中国は尖閣諸島について日本の領有を認めず、自国領域と主張している。大陸棚についても沖縄トラフを含むとしており、今回の規定で、中国国内法上は、尖閣を含む日本側の領域で日本人漁師などを中国側公船が摘発することを正当化した形だ。今後、同諸島周辺で規定などを根拠に「不法侵入」などとして日本人を身柄拘束する可能性をちらつかせることで、日本側を牽制(けんせい)する意図があるとみる政府関係者もいる。

 最高人民法院は今年3月の全国人民代表大会(全人代)で、尖閣諸島近海での「司法管轄権」の明確化を主張し、「海事司法センター」創設を宣言。中国側は尖閣を含む日本領海内での法執行を正当化する国内根拠を積み重ねてきた。

 中国の海洋進出に詳しい東海大学の山田吉彦教授は「中国側は尖閣諸島を自国領土と主張しており、規定は中国の国内法で、中国公船による日本領海内の法執行に法的根拠が存在することを示し、積極的な執行を促す意図がうかがえる。日本側は日本船の拿捕(だほ)、拘束などあらゆる事態に警戒すべきだ」と話している。

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