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【数字から見えるちば】公立小中学校完全給食実施率100% 「住みやすさ」の魅力の一つ

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【数字から見えるちば】
公立小中学校完全給食実施率100% 「住みやすさ」の魅力の一つ

 □ちばぎん総研主任研究員・船田映子

 夏休みも終わり学校給食が始まると、ほっと一息つくという保護者の方も多いのではないだろうか。

 公立小中学校における千葉県の完全給食実施率は100%で全国一となっている。給食区分には、主食とおかずとミルクの献立の「完全給食」とおかずとミルクの「補食給食」、ミルクのみの「ミルク給食」があるが、公立の小・中学校ともに100%の完全給食を実施しているのは全国で千葉県だけである。

 全国の公立小学校では、ほとんど(99・2%)の学校で完全給食が実施されているが、公立中学校の実施率は90・2%と小学校より低い。都道府県別にみると、90%以上のところが35ある一方で、兵庫県(62・9%)、滋賀県(65・7%)など関西で低い県が目立つ。また、関東でも神奈川県は27・3%と全国で最も低い。

 実施率の違いは、主に中学校給食に対する考え方の違いによる。低い市町村では、「家庭弁当そのものに教育的価値を見いだしている」「中学校に小学校のような学校給食はなじまない」「財政上の理由」などを主張してきた。

 もっとも、こうした自治体でも徐々に切り替えが進み、わが国全体の公立中学校完全給食実施率は平成23年度の83・2%から28年度には90・2%へと上がった。その背景には、共働き世帯の増加や行政による子育て支援強化、給食を利用した食育推進の流れなどがある。

 就業構造基本調査によると、千葉県では、育児中の女性で仕事をしている割合は24年の46・9%から29年には61・0%と14・1%ポイント増加し、約半数が共働き世帯となっているが、働く保護者からは学校給食へのニーズが強い。

 子供たちの食事を任せておける安心感は、仕事の有無を問わず親たちの強い味方だ。栄養に優れた多彩な献立や工夫された調理法で提供される給食は、子供の心と体の成長に欠かせない。

 完全給食は、住みやすさの魅力の一つであり、千葉県の労働力供給や定住促進にもプラスに働いているのではないか。

 県内では、給食制度を活用して、食に関するさまざまな取り組みも行われている。食育や地産地消のほか、保護者向けの試食会の実施や給食センターが職業体験の場に活用されることもある。

 2020年東京五輪・パラリンピックに向けては、ホストタウン対象国の料理を給食メニューに取り入れる事例も多くみられている。そうした活動を通じて、給食が子供の国際性醸成のほか、国際交流の懸け橋として活用されることにも期待したい。(寄稿、随時掲載)