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【埼玉経済ウオッチ】AI活用「婚活サポート」 子育て世帯増、地域活性化に期待

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【埼玉経済ウオッチ】
AI活用「婚活サポート」 子育て世帯増、地域活性化に期待

 平成27年の国勢調査によると、埼玉県の生涯未婚率(50歳時の未婚割合)は男性25%、女性13%。特に男性は20年前から16ポイントも上昇した。30~34歳の男性のうち、2人に1人、女性の3人に1人が未婚で、未婚率は年々上昇している。一方、27年出生動向基本調査によると、全国の25~34歳の未婚男女のうち、理由として「適当な相手にめぐり会わない」と回答したのが男性45%、女性51%に上る。

 ◆関東1都3県では初

 県は独身男女の出会いを増やして、少子化対策につなげようと、8月から人工知能(AI)を活用した「婚活」サポートに乗り出した。「SAITAMA出会いサポートセンター(通称・恋たま)」をさいたま市、本庄市、坂戸市の3カ所に開設し、会員募集を始めた。3年間で7千人の登録を目指し、10月から婚活マッチングを始める。

 マッチング方法は会員が希望条件(年齢、身長、学歴など)を入力し、自身で検索する。会員の価値観や性格に関するアンケートの回答内容から、AIが相性の良い人を分析・判断して紹介する仕組みだ。

 県少子政策課によると、47都道府県のうち、33都道府県で結婚支援センターを設置しているが、AIを活用した事例はあまりなく、関東1都3県では初。婚活支援サービスは民間企業も手がけているが、個人情報提出の観点などから利用に慎重になる人もいるため、公的な事業として開設することにした。

 ◆「官民の強み生かす」

 センターは県と25市町村、20社・団体(30年8月末現在)でつくる運営協議会が運営し、社会福祉協議会の相談員などが相談を受ける。自治体の婚活サポート事業は自治体運営で完結するケースが多いが、県少子政策課は「未婚・晩婚化に歯止めをかけるためには、企業を巻き込み、社会全体で取り組むことが重要。官民それぞれの強みを生かし、一体となって取り組んでいるのも当センターの特色」としている。

 8月3日には浦和ロイヤルパインズホテル(さいたま市浦和区)で設立記念式典が開催され、上田清司知事も出席。事前告知の上で併催されたマッチングイベントには男女261人の参加者があり、21組のカップルが成立した。県少子政策課は「AIをベースとしたマッチングと相談員による支援を両輪として利用者を継続的にフォローしていく形で成果を上げていきたい。結婚の希望がかない、将来的に子育て世帯が増えることで、協賛いただいている民間企業のサービス利用の増加も期待でき、地域振興や経済活性化にもつながる」と意欲を示す。

 会員登録できるのは、県内在住・在勤で、スマートフォンを持つ20歳以上の独身男女。登録料は1万5千円だが、住んでいる市町村や勤務先企業が前述の運営協議会員の場合、1万800円で登録できる(2年間有効)。(土持功・東京商工リサーチ埼玉支店長)

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【プロフィル】つちもち・いさお

 昭和47年、宮崎県生まれ。立正大学卒。平成10年東京商工リサーチ入社。東京支社調査部を経て、27年6月より現職。趣味はサッカー(最近は観戦が主)、ランニング。