産経ニュース

【かながわ美の手帖】箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」

地方 地方

記事詳細

更新

【かながわ美の手帖】
箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」

「風にそよぐグラス」(1895年、ジュゼッペ・バロヴィエール作、幅17・5×高さ23・6センチ)=箱根ガラスの森美術館蔵 「風にそよぐグラス」(1895年、ジュゼッペ・バロヴィエール作、幅17・5×高さ23・6センチ)=箱根ガラスの森美術館蔵

 16世紀初頭の「レース・グラス蓋付容器」は、ガラスでレース柄を表現するという難度の高い技術が用いられている。技術は「秘法中の秘法」(同館)といい、現代でも制作は非常に難しいとされる。レース柄の白い直線が交わるひし形の中間には、2ミリほどの四角い「気泡」を施すなど、細部まで手が込んでいる。

 デザイン性の進化に努めた20世紀のエルコレ・バロヴィエールの「ア・ステレ(星文)」も美しい。同館学芸員の柳井康弘は「どっしり重く直線的な外観は、それまでのベネチアングラスのイメージと大きく異なる」と解説。ガラス加工への模索がいまも続いていることがうかがえる。

 同館長の岩田正(まさ)崔(たか)は「ガラスに人生の全てをささげている一族。空気や水など、美しいベネチアの風土や環境までも作品に表現しようとしている。高い技術だけでなく、ガラスにかける一族の情熱も感じ取ってほしい」と話している。=敬称略 (外崎晃彦)

                   

 特別企画展「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」は箱根ガラスの森美術館(箱根町仙石原940の48)で11月25日まで。開館は午前10時から午後5時半(入館は午後5時まで)。会期中無休。入館料は一般1500円ほか。問い合わせは同館((電)0460・86・3111)。

                   

 【用語解説】ベネチアングラス

 イタリア半島付け根の都市・ベネチアで作られる、華麗な色彩とデザインが特徴的なガラス器。13世紀のベネチア共和国時代、ガラス加工技術の国外流出防止を目的に、沖合の離島・ムラーノ島に職人を家族ごと隔離する政策がとられ、以来、島はガラス工芸の拠点として発展した。ベネチアングラスは17世紀以降、実用性よりも装飾性に重点が置かれるようになったとされる。

このニュースの写真

  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」
  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」
  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」
  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」
  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」
  • 箱根ガラスの森美術館 「~奇跡のガラスを生んだ~華麗なるバロヴィエール一族展」