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福岡市の「一人一花運動」が広がり 都心に彩り、参画意識高まる

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福岡市の「一人一花運動」が広がり 都心に彩り、参画意識高まる

 福岡市が今年から始めた「一人一花運動」が、広がりをみせる。個人・団体がボランティアで管理する花壇や、企業などが費用を負担する花壇が次々と誕生した。市はこの運動によって、街中の彩りという目に見える成果に加え、住民の市政への参画意識の高まりを期待する。 (中村雅和)

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 福岡を代表する繁華街、天神地区や博多駅周辺で、花壇の整備が進む。いずれも企業名や商品名が小さく掲げられている。企業・団体からの協賛金を、維持管理に充てるスポンサー花壇制度を活用したものだ。

 同制度は以前から存在した。対象の花壇は、平成29年末時点で、天神地区に30カ所あった。

 市は今年の一人一花運動にあわせ、対象エリアを拡大し、120カ所に花壇を置いた。賛同する企業は多く、7月末までに、8割強に当たる103カ所のスポンサーが決まった。

 同制度は1口20万円を出せば、社名などが入ったプレートを1年間、花壇に設置できる。市は、その収入で花壇を維持管理する。

 一人一花運動は、高島宗一郎市長の肝いり施策だ。平成27年の米国西部のポートランド市の視察がきっかけだった。現地では、市民や企業が主導し、花や緑地を管理していた。「住民や企業が、行政機関とともに市を良くしようと取り組んでいる。理想的な姿だと感じた」と振り返った。

 高島氏は1月4日、平成30年最初の記者会見で、一人一花運動への参加を呼びかけた。

 「みんなが花を育てれば、あっという間に市内にに157万本の花が咲く」

 市は毎月11日、市植物園(中央区)で、花の苗を無料で配布する。さらに、市内の小・中学生全員に行き渡るよう花の種を配り、自宅や地域で育てるよう勧めた。

 こうした取り組みが、徐々に浸透する。市有地に整備した花壇で、草むしりなどの維持管理に、地域の協力を求めたところ、自治会など24団体が手を挙げた。

 市担当者は「戸建てを中心とした民間住宅でも、正確な数は把握できないが、花壇は増えている」とする。

 取り組みの目標は、花や緑にあふれる都市づくりにとどまらない。高島氏は「一人一花運動が、市政に参加し、共創する意識を抱いていただくきっかけになればと考えている」と語った。

 福岡市は、起業家が集まり、先進技術・サービスが生まれる都市として注目される。市民が花を育て、街を育てるようになれば、都市の活力は、さらに高まる。