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東北初、ウイスキー検定会場にニッカ城峡蒸留所 洋酒文化発展へ一役

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東北初、ウイスキー検定会場にニッカ城峡蒸留所 洋酒文化発展へ一役

 〈宮城〉世界中で愛されるウイスキーを日本でも知ってもらおうと行われている「ウイスキー検定」。9月16日に行われる今回の会場に、今年からニッカウヰスキーの宮城峡蒸留所(仙台市青葉区ニッカ1番地)が加わる。東北での開催は初めてで、蒸留所での実施も全国初。「米どころ」として、日本酒には定評がある東北だが、ウイスキーをはじめとした洋酒文化も根を下ろしている。同蒸留所は「検定を機に、造っている現場に足を運んでもらえたら」と話す。(千葉元)

 ◆朝ドラでブーム

 検定は筆記形式で、難易度ごとに1~3級、不定期開催で専門的知識を問うSM(シングルモルト)級などに分かれる。初級者向けにはウイスキーの基礎知識、中上級者向けには文化や歴史、製法の理解度を試す問題が出題される。

 検定は平成26年にスタート。ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏の生涯を描いたNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」が放映されたこの年、モルトブームに乗る形で多くの愛好家やファンが受験。過去6回実施され、飲食関係者だけでなく一般の会社員など約8500人が受験、全体の6割にあたる5400人が合格している。

 これまでの会場は東京や大阪といった大都市圏。今回は同蒸留所から会場提供の申し出があり、急(きゅう)遽(きょ)開催が決まった。実行委員会は「東北の方はこれまで東京に出て受けてもらっていたのでありがたい」と話す。4月に応募を開始し、会場は満員に達した。

 ◆1~3位独占

 宮城をはじめ東北地方は日本酒の生産が盛んだが、ウイスキーの蒸留所も宮城峡蒸留所と安積蒸留所(福島県郡山市)の2カ所があり、10月の蒸留開始に向けて、遊佐蒸留所(山形県酒田市)の建設が進む。

 洋酒文化もすでに根づいている。東北随一の繁華街、仙台・国分町に比肩し、モルトの品ぞろえで全国的な知名度を持つ「スコッチハウス」などを代表とするバーの名店が並ぶ盛岡市。25年には日本バーテンダー協会盛岡支部がご当地カクテルを開発した。シングルモルトを葛巻産のヤマブドウジュース、ジンジャエールで割った「INAZO」。岩手県内全域のバーで提供されている。

 意外なランキングもある。総務省が県庁所在市、政令指定都市を対象に行った家計調査。27~29年を平均した1世帯当たりの品目別年間支出金額・購入数量のデータによると、ウイスキーの支出額は、1位山形市3726円▽2位青森市3268円▽3位仙台市2903円-と東北の都市が上位を独占。

 6位に盛岡市、7位に秋田市もランクインしており、数ある酒類の中でもウイスキーが好まれる傾向が読み取れる。

 ◆若者や女性も興味

 宮城峡蒸留所は、ニッカ第2の蒸留所として昭和44年に設立された。日頃から見学案内が行われ、多くのモルトファンが訪れる。

 検定の会場提供を提案した仙台ニッカサービスの営業部長、横山和幸さんは「市場は前年比で伸びていて、若い方や女性も興味を持ち始めている」と話す。東北での初開催にあたっては「検定を通じて理解を深めて、イベントやセミナーにも参加してもらえたら」と話した。