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十日町女性殺害 「近くにいるかも…怖い」 知人の車?発見 糸魚川に不安広がる

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十日町女性殺害 「近くにいるかも…怖い」 知人の車?発見 糸魚川に不安広がる

 十日町市伊達の林道で新潟市中央区沼垂(ぬったり)東の職業不詳、谷愛美(まなみ)さん(24)が遺体で見つかった殺人・死体遺棄事件で、谷さんの知人で所在不明となっている男性のものとみられる乗用車が糸魚川市鬼伏の林道で発見された。県警が行方を追っている男性とあって、現場周辺の住民らには驚きとともに「近くにいるかもしれず怖い」といった不安が広がった。(松崎翼)

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 車は、国道8号沿いにある林道の入り口から約3キロ山中に進んだ川沿いの場所で見つかった。林道の幅は車1台がやっと通れるほどの狭さで、一帯には草木が生い茂っており、地元の住民はほとんど利用しないという。県警は17日、現場上空にヘリコプターも飛ばすなどして周辺を捜索した。

 最初に発見したのは近くに住む60代の主婦。15日午後3時半ごろに水をくみに車で林道に入ったところ、道をふさぐように車が止まっていた。「クラクションを何回鳴らしても動かないので気持ちが悪く、人が死んでいたら嫌だから中はよく見なかった」という。

 車のあった場所から、えちごトキめき鉄道の浦本駅までは小走りで15分ほど。主婦は「無人駅だから、誰にも気付かれずに電車に乗れる」と話した。

 連絡を受け、知人と一緒に現場に足を運んだ地元の区長、牛坊(ごぼう)良和さん(71)が車内をのぞくと、人の姿はなく運転席の座席が少し後ろに倒された状態だったという。「グレーの軽自動車だった」(牛坊さん)

 その日の夕方には警察官が何台ものパトカーで駆け付け、騒然とした雰囲気に包まれたという。近くに住む70代の主婦は「車を降りてどこに向かったのか。まだ近くにいたら怖い」と不安そうに話した。

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 ■発生から1週間犯行動機、手口に謎多く

 十日町市伊達の林道で谷愛美さんの遺体が発見されてから、18日で1週間を迎える。谷さんが自宅を出た1日から“空白の10日間”に何があったのか-。犯行の動機や手口など事件の真相は謎に包まれたままだ。

 谷さんが使った軽自動車は、新潟市内の駐車場で9日に発見された。生存していたときの唯一の足取りだ。捜査本部は5日までに、携帯電話の位置情報を十日町市内で確認しているが、家族からの電話に谷さんが出ることはなかった。

 自宅から遺体発見現場までは約100キロ。林道の近くに民家はなく、往来も少ない。住民は「知っている人しか通らない」と話す。遠く離れた人通りが少ない場所に遺体を遺棄したのは、発覚を遅らせるためとも考えられるが、遺体は林道のほぼ中央に置かれ、凶器の刃物は背中に刺さったまま残されていた。「(犯人は)遺体を隠そうとは思わなかったのでは」。捜査関係者は首をひねる。

 「破れかぶれの心理状態では、矛盾した行動を取ることがある」と話すのは、犯罪心理に詳しい常磐大(水戸市)の諸沢英道元学長。逮捕を免れるために捜査を攪乱(かくらん)しようとする一方、絶望的な気分から自殺願望が生じ、遺体の処理が雑になるのだという。

 遺体に複数の刺し傷があったことについて、諸沢氏は「被害者に対して憎悪の感情があったとみられ、交友関係が解明されれば一気に事件が解決する可能性がある」と指摘する。

 「人懐っこい子だったけど、交友関係は広くなかった」。約3カ月前に共に食事をしたという友人は谷さんの人柄をこう振り返る。

 15日には、所在不明の知人男性のものとみられる乗用車が見つかった。捜査本部は関連を調べるとともに、120人態勢で犯人を追っている。(太田泰)