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「よっぱらいサバ」、酒によく合います 餌に酒かす、小浜で人気

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「よっぱらいサバ」、酒によく合います 餌に酒かす、小浜で人気

 若狭湾の海産物を京都に運んだ通称「鯖街道」起点の小浜市で、酒かすを餌に混ぜ養殖した「よっぱらいサバ」が好評だ。乱獲などで漁獲量が激減し、市が新たな「ブランド魚」の確立を目指してサバ料理専門店を運営する大阪府の「鯖や」社長、右田孝宣さん(43)と考案。3月に本格出荷し、右田さんは「安心して生でも食べられる食文化を小浜から発信したい」と意気込む。

 「ほのかな酒かすの香りが美味」「生臭さがなく、日本酒に合う」。提供する同市のサバ料理専門店「SABAR小浜田烏店」では、訪れた客から素材を生かしたお造りやすしの注文が相次ぐ。

 酒かすを与えられたサバはうま味が出て、養殖独特の臭みや脂っこさがない。口の中で甘味が広がり、とろけるような食感だ。天然ものとは違い、寄生虫が付きにくい。

 小浜は、漁獲量の多さと発酵食品のへしこなど多様な食文化から「サバの町」として知られていたが、昭和49年のピーク時に3500トン以上あった水揚げは、乱獲や海洋環境の変化で激減してこの数年は10トン未満に。市は平成28年、サバの町復活に向け、試験的に養殖を始め、各地でサバ料理専門店を構える右田さんに共同研究を依頼した。

 「コメどころの福井なら、健康にいい酒かすを使ってブランド化できないか」。右田さんの発想を得て翌年、鯖街道終点の京都・出町柳の酒蔵「松井酒造」が造る小浜産のコメを使った日本酒の酒かすを配合し、約500匹に給餌した。

 当初、酒かすのにおいを嫌い、餌に見向きもしなかった。酒かすの量や精米歩合を調整するなどの工夫を重ねると食欲は増し、栄養価や成長スピードの向上に成功。本格出荷にこぎ着けた。

 今年は約1万3千匹を養殖しており、来年には2万匹を目標に大手回転ずしチェーンと連携して各地で販売する構想を練る右田さん。「美酒とサバに酔いしれてみて」と笑顔で客を呼び込む。