産経ニュース

ヘリ墜落 岡朗大さん(38)は愛される「スーパー消防士」 スキーで国体常連

地方 地方

記事詳細

更新


ヘリ墜落 岡朗大さん(38)は愛される「スーパー消防士」 スキーで国体常連

 「消防士という立派な仕事を得て地元に帰り、後進の面倒を見ながらスキーの選手として地域に貢献した。惜しいという言葉では足りない」

 最年少の犠牲者で、吾妻広域消防本部から県防災航空隊に派遣されていた岡朗大(あきひろ)さん(38)を幼い頃から知る草津スキークラブの山口芳雄会長(60)は肩を落とした。

 岡さんは草津町出身。小学校高学年のとき、スキーのスポーツ少年団に入団し、草津中でもスキー部で技術を磨いた。顧問だった宮下昌之さん(62)によると、中学時代からスキーがうまく、熱心に練習を積んでいたという。

 名門、青森・東奥義塾高校にスキー留学し、進学した近畿大学でも競技を続けた。その後、地元に帰り、吾妻広域消防本部に就職。仕事をしながら、国体の常連としても知られた。

 泊まり明けや非番の日には、少年団のOBとして小中学生を指導。宮下さんは「スキーは本番一本勝負。選手は緊張するが、子供たちの緊張をほぐすような言葉をいつもかけていた」と振り返る。若い後輩たちにも慕われていた。

 吾妻広域消防本部によると、岡さんは愛嬌のある笑顔が魅力で「太陽のような存在」だったという。

 しかし、いざ出動命令がかかると、「上司へのアドバイス、後輩への指示を的確にこなす、まさにスーパー消防士」の顔に早変わりした。地元で岡さんを知らない人はいないほど多くの人に愛される存在だった。

 父親としては、幼い1男1女を溺愛していた。宮下さんは「県防災航空隊の任期を終えたら、草津に戻り、子供たちにスキーを教えたかったに違いない」と残念そうに話した。

 事故から6日後の16日、草津町草津の「西あがつまいずみセレモニー」で営まれた通夜では、600人を超える消防や関係者、友人らが別れを惜しんだ。

 弔問に訪れた女性(65)によると、岡さんの3歳の長男が、父へ歌を贈ったという。女性は「岡君はとても優しくて、道で行き会うとハグをしてくれた。あんなに良い子を亡くすなんて」と声を詰まらせた。

 中学時代、スキー部の先輩だったという女性(40)は「お調子者で、でも憎めなくて、明るく楽しく、みんな彼のことが好きだった。また会えたら、いつも通り話せると思っていたのに」と目に涙を浮かべた。