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平成最後の終戦の日 九州・山口でも子や孫ら追悼式 戦争の記憶、次の世代に

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平成最後の終戦の日 九州・山口でも子や孫ら追悼式 戦争の記憶、次の世代に

20組の家族連れがそろって戦没者を悼んだ=福岡市中央区の福岡県護国神社 20組の家族連れがそろって戦没者を悼んだ=福岡市中央区の福岡県護国神社

 73回目の終戦の日となった15日、心ならずも犠牲になった戦没者らの追悼式が九州・山口の各地で営まれた。平成では最後となる式典に出征経験者らが子や孫と一緒に参列したり、最寄りの護国神社にそろって参拝する企画に参加するなど、さまざまな形で戦争の記憶を次の世代に語り継ぐ営みがみられた。 (中村雅和)

 福岡県立福岡武道館(福岡市中央区)では県戦没者追悼式が開かれた。遺族ら約1千人が参列し、県出身の犠牲者約9万3千人の冥福を祈った。

 小川洋知事は冒頭、「戦争を知らない世代が増えた。(戦争の体験を)次世代に引き継いでいくべきだ」とあいさつした。

 わが国がたどった歴史を正しく伝えるのは、国民として忘れてはならない宿題だ。そこで、県は3年前から県内の小中高校生を追悼式に献花者への補助役として招いてきた。今年は102人が参列し、白い菊を献花者に手渡した。

 式典では広島出身の中村学園女子高3年、吉原葵さん(18)が追悼の辞をよんだ。結びで「福岡を誰もが安心で、幸せに暮らせる街に発展させていきます」と決意を新たにした。

 吉原さんは産経新聞の取材に「性能が上がった兵器が二度と使われないよう、平和の尊さを訴え続けることこそが私たちの世代の責任です」と語り、会場を後にした。

 福岡県護国神社には今年も、戦時中に日本軍人・軍属として犠牲になった台湾人への慰霊活動を手がける福岡市在住の小菅亥三郎氏(70)の姿があった。

 小菅氏は家族がそろってこの日に昇殿参拝し、手を合わせる試みを昨年から始めた。「8月15日の持つ意味を理解し、後世に歴史を正しく語り継ぐにも世代を超える形で参拝するのが望ましい」との思いで始めた。今年は20家族の総勢90人が参列した。

 その一人、宮原泉さん(89)は周りの家族に旧海軍時代の自らの体験を聞かせた。「部隊に700人いた仲間のうち200人以上が戦死した。彼ら英霊が日本を守ってくれた」と声をふるわせた。

 市立当仁中3年、茅野桜さん(15)は「戦没者はこれまでは家族と別れて戦死し、かわいそうだ、とばかり思っていた。でも、私たち世代はそんな戦没者の方々への感謝の気持ちをしっかりと持つべきだと改めて気付かされた」と語った。