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【千葉聞き歩き】全国1位の街の問題

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【千葉聞き歩き】
全国1位の街の問題

 地方自治体がひそかに注目しているという順位が、このほど発表された。東洋経済新報社が毎年公表している「住みよさランキング」。今年で25回目だ。

 「利便度」「快適度」など5つの部門で、同社が公的統計を基に偏差値を算出し、順位を決める。総合評価の全国1位は、本県の印西(いんざい)市だった。10位に成田市が入った。印西市は、平成24年から7年連続「全国第1位」の快挙だ。

 県北西部にある印西市は横から見ると県の形をしているマスコットキャラクター「チーバくん」の目のあたりに位置する。東京都心まで約40キロ。都市再生機構や県が開発を進めてきた北総線沿線の千葉ニュータウンには子育て世代が転入し、人口が10万人を突破。6月14日には記念式典も開かれた。

 東洋経済の担当者は「都心部まで通勤可能な位置にありながら、広い持ち家を持つことができる環境を求めて若い世代が集まる。商業施設も充実し、さらに人を呼び込んでいる」と、分析する。

 印西市の板倉正直市長(72)を訪ねた。人口減が日本の大きな問題となるなか、住民増に7年連続日本一と、良いこと続きにみえるが、市長の答えは意外にも厳しかった。

 「ニュータウンでは人が増えるが、市役所や最寄りのJR木(き)下(おろし)駅を中心とした旧市街地は住民減で衰退の一途というアンバランス。ニュータウンには商業施設などが次々できるが、旧市街地には舗装も十分でないところもまだある」

 この格差が解決できない限り、7年連続トップも手放しで喜べないという。

 都心への鉄道アクセスが比較的便利とはいえ、建設費の返済と金利負担などで経営が厳しいという北総鉄道の運賃は高いことで知られる。印西市の最重要課題でもある。全国1位の街はランキングだけではうかがいしれない問題を抱えていた。(斎藤浩)=随時掲載