産経ニュース

群馬県防災ヘリ墜落 雲突入で「空間識失調」か 飛行直前、空に異常なし

地方 地方

記事詳細

更新


群馬県防災ヘリ墜落 雲突入で「空間識失調」か 飛行直前、空に異常なし

 搭乗員9人全員の死亡が確認された県の防災ヘリコプター「はるな」は墜落直前に旋回した後、時速30キロから145キロに急加速する異常な飛行をしていた。一方で、飛行高度に急激な変化はなく、専門家はヘリが雲や霧に突入したことで操縦者が平衡感覚を失う「空間識失調(バーティゴ)」と呼ばれる状態になり、推進力を保ったまま墜落したとの見方を示す。 (吉原実)

 県が公表した衛星利用測位システム(GPS)を使用し、ヘリの位置や速度を確認できる「動態管理システム」の記録によると、北東に飛行していたヘリは10日午前9時59分に南西へ急旋回し、再び北へ進行した後、同10時1分に通信が途絶えている。衝撃を受けた際、自動で位置情報を伝える機器がヘリに搭載されていたが、国土交通省に救難信号は届いていなかった。

 この2分間にヘリは、加速と減速を繰り返していた。通信の途絶える20秒前の段階の速度は時速約30キロだったが、10時1分には5倍近くの約145キロと記録されている。

 県防災航空隊によると、ヘリは通常、時速約185~200キロで飛行し、高度は地表から約460~610メートルを保つ。

 機体は水平状態では急加速できず、「機体の前部を前傾姿勢にし、高度を下げながら、出力を上げる必要がある」という。加速と減速を繰り返した2分間で、ヘリの高度は最大約35メートルの差しかなく、ほとんど変わらなかった。

 元運輸安全委員会の航空事故調査官で第一工業大教授の楠原(くすはら)利行氏は、運航記録などから操縦者が雲の中に入ったことで空間識失調の状態になり、「訳がわからない状態のまま飛行し、墜落したのではないか」との見方を示す。

 墜落直前に旋回し、加速と減速を繰り返したことがそれを裏付けるとし、「雲を避けようとして旋回し、向かった先にも雲があったのではないか」と話す。

 県防災航空隊は、10日の飛行直前の空の状態に問題はなかったと説明。

 飛行の可否を決める天候については、委託先の東邦航空(東京都)が契約するウェザーニュースに加え、ヘリに乗り込む吾妻広域消防本部の職員から現地の状況を聞き、飛行先を写すライブカメラでも確認するなど入念に行っていたという。

                   ◇

 田村研さんの通夜は15日午後6時、葬儀・告別式は16日午後2時、中之条町伊勢町のあがつまメモワールで。喪主は妻、留美(るみ)さん。

 蜂須賀雅也さんの通夜は15日午後7時、葬儀・告別式は16日正午、東吾妻町原町のJAあがつまセレモニーホールで。喪主は妻、博子(ひろこ)さん。

 水出陽介さんの通夜は16日午後6時、葬儀・告別式は17日午前11時、同所で。喪主は妻、香織(かおり)さん。