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プールや湖水を飲料水に 北富士オリジンがキャリー型浄水器開発

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プールや湖水を飲料水に 北富士オリジンがキャリー型浄水器開発

 電源装置製造の北富士オリジン(富士吉田市大明見)は、プールや貯水槽の水、河川・湖沼水などを飲料水や生活用水に変える軽量でコンパクトな浄水器を開発、10月から全国で発売する。西日本豪雨では多くの府県で断水した。地震や水害など災害対策の強化に動く全国の自治体や学校などへ売り込み、飲料水の確保に役立ててもらう。(松田宗弘)

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 浄水器は底部に可搬用の車をつけたキャリー型で、重量は38キロ。家庭用や自動車の車載電源で利用でき、毎分1リットルの飲料水を供給する。同社は平成28年10月に供給量が毎分3リットルで、重量80キロの浄水器を発売、富士吉田市など県内1市2村に納入していた。

 キャリー型の開発は、自治体から小型・軽量化の要望が強かったことなどから26年に着手。試作機は先月、県の品質基準を満たす「やまなしトライアル発注商品」の認定を受けた。価格は100万円を切る水準に設定する。

 キャリー型は幅51センチ、高さ78センチ、奥行き35センチの旅行用スーツケースのサイズ。同社従来機比で重量を半減、体積を4分の1にした。供給量は24時間稼働で1440リットル。飲料水は1人1日当たり3リットル必要とされるため480人分が供給可能だという。連続使用は2千時間。本社工場で生産する。

 仕組みは、取水した水を浄化力が高いとされる「逆浸透膜(RO膜フィルター)」を通し、紫外線殺菌などを加え飲料水に変える。同社独自の技術で浄化後の水質を測定するセンサーもつけた。これにより利用者は、飲料・生活用水として安心して使えることを確認できる。

 県新事業・経営革新支援課は、認定した理由について、「技術系職員らが審査し、可搬性や車載電源の活用など、どこでも使える災害時の対応力の高さを評価した」と説明する。

 同社の宮下憲夫社長は、「自治体や学校だけでなく、病院、キャンプ場、一般家庭などへも販路を広げたい」と話している。