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「地域で気にかける意識根付く」 児童の見守り活動、ひまわり隊の初代会長・粉川昭一さん 栃木

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「地域で気にかける意識根付く」 児童の見守り活動、ひまわり隊の初代会長・粉川昭一さん 栃木

 日光市立大沢小学校の周辺で保護者や地域住民による児童の見守り活動を主導してきたのが事件後に発足した大沢ひまわり隊だ。子供を狙った凶悪犯罪は後を絶たず、今年5月には新潟市で小学2年の女児が殺害された事件も起きている。被害を防ぐために地域はどうすべきなのか。ひまわり隊の初代会長の粉川昭一さん(54)に聞いた。

 -事件から13年がたったが、子供たちの見守り活動は現在も続いている

 「事件から8年後に容疑者が逮捕されたときは驚いた。近所に犯人がいるかもしれないという恐怖感からは解放されたが、子供たちだけでの登下校は今も実現していない。それが実現できない限り、本当の事件解決にはならないが、(登下校の見守り活動を)やめることはできないと思う。とはいえ、地域で子供の安全を守るという意識が根付いた。活動を続けてきてよかったと思う」

 --現在、見守り活動はどのような意識で取り組んでいるか

 「いつ、どこで誰が被害に遭うか分からない時代になってしまった。おかしな欲望を持つ人も増えた。そういう人を行動に移させないためには、地域の目が必要。地域の一人一人が子供の安全に少しでも目を光らせていれば、よからぬことを考える人も近寄りづらくなる。見守り活動自体も大切だが、それだけでなく地域の目を育てることを意識している」

 --保護者や地域住民ら活動を続ける人の負担は課題だった

 「アンケートで約半数が『負担は大きくない』と答えている。この地域にとって、見守り活動はあって当然のものになっているし、子供たちもそれが当然の環境で育っている。地域で子供の安全を気にかける意識も根付いているので(負担は)問題ではなくなった」

 --市議も務めているが、行政の対応はどう考えるか

 「地域の力だけで足りない部分を補うのが行政の役目。通学路の安全対策について指摘をするなど、行政に事件のことを忘れさせないよう努力している」

 --今後、地域社会の安全のためにはどのような取り組みが必要か

 「どこで凶悪犯罪が発生するか分からない時代。担い手不足もある中で、見守り活動に加えて地域の目が必要になる。昔と違い、近所付き合いが薄い。こういった事件は、自分の地域で起きないと本当の怖さが実感できないのは確か。しかし、せめて自治会に入るなど、自分も地域社会の一員であることを少しだけでも一人一人が意識してほしい。私たちも、判決にかかわらず、地域全体で子供たちの安全を守っていく」