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古文書が語る草津宿の歴史 市教委、資料8600点調査着手

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古文書が語る草津宿の歴史 市教委、資料8600点調査着手

 草津市教育委員会は2日、国史跡の草津宿本陣(同市草津)でこれまでに見つかった古文書など、約8600点の資料の調査に着手した。約3年かけて膨大な資料を整理、分類して内容を読み解き、成果をまとめる。資料はこれまでほとんど手が付けられておらず、関係者は「宿場町の発展の様子を詳細に解明できる可能性がある」と期待する。

 草津宿は東海道と中山道の合流地点にあり、交通の要衝として発展。草津宿本陣は大名や公家などの宿泊所として江戸時代に建てられた。現存する本陣では国内最大級。幕末に皇女和宮が第14代将軍、徳川家茂に嫁ぐ道中に立ち寄るなど歴史を刻んできた。

 平成26年に「文書蔵(ぶんしょぐら)」を修理した際、宿泊した大名の書簡など約5千点の資料が見つかった。ただ、量が膨大なことや財政的な理由などから、調査されないまま残っていた。

 市教委は今年度、文化庁の補助金を受けたのを機に調査に着手。6月に愛知大の渡辺和敏名誉教授(日本近世史)を委員長とする調査委員会を立ち上げ、調査方法などを検討してきた。

 今回の調査を機に、それ以前に発見された3600点の資料も合わせて整理。数カ月かけて分類するなどしたあと、内容を読み込んでいく。

 この日は、県内や京都などで歴史を学ぶ大学生や大学院生らが、補助員として資料の整理や修復作業を始めた。

 虫食いや複数のページがはり付いているなど、江戸期から残る資料は保存状態の悪いものが多く、学生たちは竹ヘラなどを使用してページをはがすなどして作業した。

 県立大人間文化学研究科の修士1年、荒田雄市さん(22)は「整理が困るほどの膨大な資料の数。通説の書き換えなどに携われる気がして興味深い」と話す。

 街道の要衝だった草津宿の本陣には、多くの大名や公家が滞在し、書簡をやりとりした。草津宿街道交流館の冨田由布子学芸員(29)は「現物資料に触れることで、誰にどんな質の紙を使用していたかなど当時の空気まで再現できる。草津宿のリアルな姿を解明できる」と期待する。

 調査は平成33年3月末までで、終了後に報告書をまとめて特別展を行う予定。ホームページなどで定期的に「草津宿本陣資料調査だより」を掲載し、進展状況を公開するという。