産経ニュース

離岸流発生をカメラで検知 産学官連携、御宿で実証実験へ

地方 地方

記事詳細

更新


離岸流発生をカメラで検知 産学官連携、御宿で実証実験へ

 海の水難事故の原因となっている離岸流をカメラで検知し、客への注意喚起や迅速な救助に役立てようと、御宿町とコニカミノルタジャパン、中央大学、日本ライフセービング協会は同町の御宿中央海岸で、離岸流の発生をリアルタイムで確認し、客やライフセーバーに伝える実証実験を始める。ICTを活用した離岸流に関する産学官連携の実験は国内初で、世界的にも珍しいという。実証実験の結果を踏まえ、国内各地の海水浴場への普及も目指したいとしている。

 同町と日本ライフセービング協会によると、同町の3つの海水浴場では直近の5年間でも50~542件の水難事故があり、その約7割は離岸流が原因という。外海の太平洋に面している同町の海水浴場は離岸流が発生しやすく、安心して海水浴を楽しんでもらおうと、最大で5千万円の補助金が出る総務省のIoTサービス創出支援事業に応募し、採択された。

 御宿中央海岸の約300メートルの海岸線にカメラを3台設置して、波の状況や海水の色などから離岸流が発生したとされる場所を解析。海水浴場に設置した大型のスクリーンでリアルタイムに通知し、ライフセーバーや来場者に周知する仕組みとする。海水浴シーズン終了後も現地調査や実験を継続的に行い、データをとりまとめる。将来的にはライフセーバーが装着するウェアラブル端末にデータを随時送信したり、来場者のスマートフォンなどに通知するシステムの構築も検討。同事業によって、水難事故の発生件数の半減や、救助時間を平均で4分短縮することなどを目指す方針。

 同町の石田義広町長は「人命救助の重要性を体現する事業で非常に注目されている。世界にこのシステムを発信していきたい」と意気込んでいる。