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ILC経済効果5兆7200億円 岩手県推進協、試算結果を国に提出へ

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ILC経済効果5兆7200億円 岩手県推進協、試算結果を国に提出へ

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地になっている次世代加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の誘致が実現した場合の経済波及効果について、県ILC推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)は30日、20年間で5兆7200億円に上るとの試算結果を発表した。国に提出し、誘致に前向きな判断を引き出したいとしている。

 ILCは当初、全長30キロで構想が進んでいた。しかし、建設費圧縮のため昨年11月、物理学者の国際組織は20キロにすることに決定。文部科学省は建設や設備投資など直接的な効果の見直しを行い、国内で最大2兆6100億円と下方修正した。

 同協議会のはじき出した結果は2倍以上。加速器関連技術の発展・利用で、半導体や自動車、医療機器など多くの分野の産業に効果が拡大していくとしている。東北経済連合会では、ILC・加速器産業参入を支援する事業所として、東北6県に新潟県を加え約700事業所をリストアップしている。

 調査を手がけた県立大の鈴木厚人学長は「経済波及効果は直接的な効果だけでなく、時間とともに(多方面に)広がっていく」と強調。谷村会長は「ILCは科学技術大国を目指す日本が世界に向け存在感を示すプロジェクトであり、報告書は決断を促す1つの材料」と述べた。

 谷村会長によると、欧州が年内に素粒子研究の次期5カ年計画を作ることになっており、それまでに日本政府がILCを誘致するかの判断を求められているという。