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食虫植物ムジナモの発芽に10年ぶり成功 羽生市の保存会 埼玉

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食虫植物ムジナモの発芽に10年ぶり成功 羽生市の保存会 埼玉

種子から発芽したムジナモ(羽生市ムジナモ保存会提供) 種子から発芽したムジナモ(羽生市ムジナモ保存会提供)

 埼玉県羽生市にある国指定天然記念物、宝蔵寺沼ムジナモ自生地の保護に取り組んでいる羽生市ムジナモ保存会の会員がムジナモから種子を取り出し、発芽に成功した。市によると、会員による種子からの発芽成功は約10年ぶりで、資料も少なく非常に貴重だという。

 ムジナモは多年生の食虫植物。マッチ棒の先くらいの大きさの花は夏に短時間しか開かず、目にすることが難しい「幻の花」とされる。自家受粉による種子が発芽するとされるが、増殖は枝分かれのように分岐して増えるのが一般的。国内唯一のムジナモ自生地である宝蔵寺沼でも種子からの発芽は確認していないという。

 市によると、発芽に成功した会員は、直径約2ミリの種子を冬越しと同じ条件でいったん冷凍。その上で3月5日から水道水に浸したところ、3カ月後の6月9日に発芽。7月5日には長さ約19ミリまで伸びたという。

 保存会ではこれまでも会員らが種子からの発芽に取り組んでいたが、冬越し後に約1カ月程度、様子を見守って発芽の有無を判断していた。今回は1カ月を過ぎても放っておいたところ発芽が始まったという。

 市生涯学習課の高鳥邦仁文化財保護係長は「ムジナモの種子が発芽した事実が大きな意義。自生地では種子からの発芽という観点でムジナモを見てこなかったので、今後は発芽の有無を調査していきたい」と話している。