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諫早干拓地にボートコース、競技用に公認申請へ ルーツの長崎、地域資源を活用

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諫早干拓地にボートコース、競技用に公認申請へ ルーツの長崎、地域資源を活用

諫早干拓地の全景。写真右下から直線状に流れているのが本明川(長崎県提供) 諫早干拓地の全景。写真右下から直線状に流れているのが本明川(長崎県提供)

 長崎県などが、諫早干拓地(諫早市)を流れる河川を、ボートの競技用コースとして活用できるよう、年内にも日本ボート協会(東京)に対し公認を申請することが28日、分かった。承認されれば、全日本選手権の各大会などが開けるようになる。諫早干拓地周辺のにぎわい創出と位置づけており、関連施設の整備も進める。

(九州総局 村上智博)

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 諫早干拓沿いには、一級河川の本明(ほんみょう)川が流れる。直線距離は3千メートル以上、川幅は200メートル弱あり、現在は、実業団のチームや高校漕艇部が練習場として活用している。

 地元の実業団ボートチーム「チョープロ・ローイングクラブ」は平成28年から、川の下流域を拠点に練習を始めた。

 北野雄一監督(34)によると、波の穏やかな練習コースで、年間を通じて風の影響も受けにくいといった特徴がある。

 ボートは、直線のコースで艇を並べて速さを競い合う。本明川では横に6~10艇を並べることができる。国内の河川の中でも指折りのコースで、県外からも、社会人や大学のチームが合宿に訪れるなど、注目を集めている。

 県ボート協会は28年、川縁に約50艇を収納できる艇庫を完成させた。今年4月には常設の桟橋も整備された。

 競技の活用例もある。昨年11月、九州一円から高校生の選手約60人を集め、世界ジュニアボート選手権大会の日本代表候補を決める選考会が開かれた。

 県によると、日本のボート競技は長崎にルーツがある。江戸時代の1855年、長崎海軍伝習所が教科の一つとして、カッター艇の乗艇訓練を実施。61年には、日本初のボート競技大会「長崎レガッタ」が長崎港で開催された。

 ボート競技の振興は、諫早湾干拓事業による地域資源の活用につながる。長崎県や諫早市は、県ボート協会とも協議し、九州で3例目となる公認コースを目指す。

 公認コースは、日本ボート協会がコースの長さやレーンの数に応じて、上から順にA、B、C、Fと段階別に区分している。長崎県などは「B級」で申請する。

 B級は、5レーン以上の横幅を取れることが条件で、承認されれば、全日本選手権の各大会のほか、国民体育大会の競技を行えるようになる。

 九州には、平成25年に形上(かたがみ)湾ボートコース(長崎市)と、竜門ダム(熊本県菊池市)の貯水池にできた斑蛇口湖(はんじゃくこ)ボート場がB級になった。「6レーン以上あり、国際大会を実施できる」というA級コースはない。

 長崎県などはコース申請に先立ち、今年10月に諫早市の中学生らを対象とした競技用ボートの体験教室を開く。将来は、地元でのジュニアチームづくりも検討するという。

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