産経ニュース

【産経国際書展】第35回記念賞・法月秀峰さん(56) 「継続は力なり」無欲で息長く

地方 地方

記事詳細

更新

【産経国際書展】
第35回記念賞・法月秀峰さん(56) 「継続は力なり」無欲で息長く

 20歳を過ぎるまで、学校の授業以外で書道をたしなんだ経験はなかった。そして、師範の資格を持つ今でも月3回ほど師事する村越龍川先生の元で学んでおり自ら教えることはない。幼い頃から教室に通って大人になるまで続け、師範となれば自ら教える立場になるというコースが一般的な書道の世界にあっては、珍しい経歴なのかもしれない。

 きっかけは勤める会社内で開かれていた書道教室に足を運んだことだった。軽い気持ちで始めたが、「先輩方をはじめ、いい人たちに囲まれて居心地がよかった」ことから、休むことなくまじめに通い続け、実力をつけていった。

 社内の教室が廃止されてからは、村越先生の指導を受け始める。そこで産経国際書展への参加を勧められた。受賞作は「店で偶然青い紙を見つけたのでちょっと格好つけて書いてみた」という、流れるようなかな文字を紙の色が引き立てる作品だ。

 仕事は大型設備の保守管理。一日中外回りで何十件もの作業を黙々とこなす。そして帰宅すれば自宅で母を介護する。時間に追われる生活の中での書道教室は「みなさんと触れ合うのが本当に楽しい。月1回課題をもらって書き、審査されて結果が出るのも励みになるし、先生のアドバイスも素晴らしい」と、格好の息抜きでありストレス解消の場となっている。

 仕事と介護の合間の時間をやりくりするので、自宅で書くのは1日1枚ずつ。今はこのペースだ。

 「みっちり書いていたときもありますが、今はゆっくりゆったり。まさに継続は力なりです。ただ、今回こんな高い賞をいただいたので、次の目標が上がってしまったのはちょっと困りますね」と照れ笑いしつつ、これからも自分のペースで息長く書道を楽しみたいと思っている。