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【高校野球静岡大会】後輩に甲子園の夢託す 飛龍3年・深谷力主将

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【高校野球静岡大会】
後輩に甲子園の夢託す 飛龍3年・深谷力主将

 「自分の力不足です」

 試合後、こう声を振り絞った。4点を追いかける三回、豪快なスイングで右翼席まで運び3点を返し、チームに勢いを付けたが、その後は試合巧者の掛川西にジリジリと離され、夏が終わった。

 「初出場で甲子園に」というのが夢だった。大阪市淀川区の出身。中学の福島シニアでは3年夏に全国大会に出場したが、「周りに連れて行ってもらった。自分の力で甲子園に行きたい」。第97回大会の準優勝を見て、飛龍への進学を決めた。

 3年で新チームになると主将、そして主砲を任され、名実共に柱となった。しかし、この1年は波乱が続いた。秋大会後と春大会後に監督が交代。チームは方向性を見失いかけた。  自身を「話せるタイプではない」と評するが、主将として3年生全員を何度も集め、しつこいぐらいにミーティングを繰り返した。導いた結論は「選手が主体的に動くチーム」。今大会の選手の起用も主力選手数人を中心に、小林能知監督代行と話し合って決めた。

 4回戦では選抜出場校の静岡を撃破。終盤の大逆転劇は飛龍ナインの意志の結集だ。「“静高”を倒す歴史はつくった。かわいい後輩たちに初優勝の夢を託す」。初出場へもがき苦しんだ主将は笑顔で球場を後にした。 (石原颯)