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草津白根山噴火半年 風評被害で観光客減続く 町、志賀草津道路開通目指す 群馬

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草津白根山噴火半年 風評被害で観光客減続く 町、志賀草津道路開通目指す 群馬

 1人が死亡、11人が重軽傷を負った草津白根山の本白根山(草津町)の噴火から23日で半年がたった。町は噴火直後から、防災と観光の両立を模索し、風評被害による観光客の減少を食い止めようと努めてきた。しかし、4月22日に白根山(湯釜付近)の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられ、その2日前に開通したばかりの観光道路「志賀草津道路」(国道292号)の一部区間の閉鎖を余儀なくされた。町は観光客の減少に悩まされながら、最大の繁忙期となる夏の行楽シーズンに突入する。 (吉原実)

 町によると、平成29年度に過去最多の約321万人に達した入り込み客数は噴火後、減少傾向が続く。今年1~4月は前年同期比平均約5%減にとどまったが、白根山の警戒レベルが引き上げられると、減少幅は5、6月に約15%に拡大。6月は約20万3千人に落ち込んだ。

 町担当者は「観光客は、全国にある温泉地と比較して、火山絡みの話題が続いたことで『草津は、なんとなく危ない』という印象を抱いているのではないか」と表情を曇らせる。

 黒岩信忠町長は一貫して「科学的根拠」から安全性を判断し、火山に対応すると強調してきた。

 気象庁は、本白根山の現状を「噴気や噴煙など表面的な動きはでていない」とする一方、白根山については「湯釜の中に、火山ガスに含まれる水分などの濁りや湧き上がりがある。地震活動も時折、活発化する」としている。

 観光客数の減少による地域経済の停滞の長期化を避けるため、町は、白根山の警戒レベルが引き下げられない状況下でも、志賀草津道路の開通を目指す。

 道路を管理する県は、専門家らを交えた「草津白根山防災会議協議会」の意向に従うとしている。大沢正明知事は今月18日の定例会見で、通行者の安全性を確保するため、「気象庁や専門家の意見を踏まえ、対応していかなければならない」と述べた。

 気象庁火山課の担当者は、開通の可否を判断する立場にないとした上で、「(開通に必要な)条件は示せない。いつ、突発的な火山活動が起きるかわからない。何をもって危険とするのか議論しているところだ」としている。

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 ◆草津白根山の噴火 1月23日午前10時ごろ、草津白根山の本白根山(2171メートル)が噴火。草津国際スキー場(現草津温泉スキー場)で訓練中だった陸上自衛隊員が噴石の直撃を受け死亡、スキー客を含む11人が重軽傷を負った。気象庁は現在、近くの白根山とともに噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)とし、火口から約1キロの範囲で噴石への警戒を呼び掛けている。