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【甲信越うまいもん巡り】新潟「角打ちバー」ぽんしゅ館コンプレックス

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【甲信越うまいもん巡り】
新潟「角打ちバー」ぽんしゅ館コンプレックス

 ■出張帰りに地酒、コメの偉大さに乾杯

 最近、新幹線で新潟駅を訪れた人なら、なんとなく気になっているのではないだろうか。西口改札を出ると、ガラス扉の向こうに見えるバー。よく見ると、一升瓶が並んでいる。酒屋か、居酒屋か…。

 正解は「角打ちバー」。角打ちとは、酒屋で買った酒を店内で飲むこと。そんな雰囲気で新潟県内の銘酒をお手頃な値段で楽しめる。正式名称は「ぽんしゅ館コンプレックス 角打ち部」だ。

 「出張帰りの30分、1時間に日本酒を一杯引っかけていただければ」と店のコンセプトを語るのは、食品部店長の能田拓也さん。季節ごとに飲み頃の地酒十数種類をそろえるが、お薦めの一つは「こしのはくせつ」(弥彦酒造、弥彦村)。「つくりのいいお酒で、きれいな香りを長い時間楽しめます」。陶器のぐい飲み(1合)で税別580円。

 もちろん、肴(さかな)も用意してくれている。きのこの焼き漬け(同380円)、きんぴら(同280円)…。お酒が進みそうだ。

 堪えきれず、「加賀の井」(同480円)を一杯だけ頼むことにした。蔵元は一昨年、糸魚川大火に見舞われた加賀の井酒造。焼失した酒蔵を建て直して初めてつくった酒が出てきたところだが、もう品薄になっているという。

 長岡産の「十全なす漬け」(同380円)をアテにグラスでチビリチビリとやってみた。まだ若い酒の香りが鼻に抜ける。うまい。薄くスライスされたナスに黄色いカラシをちょんと付け、口に運ぶと、歯応えのあるナスの身からじんわりとうまみがにじみ出てきた。加賀の井をまたチビリ…。

 「新幹線を1本遅らせてきました」と話すのは、まさしく出張帰りにカウンター席で「イットキー」(玉川酒造、魚沼市)を飲んでいた横浜市のコンサルタント、松岡友子さん。「日本酒は食事が引き立ちますよね」。すごもり車麩(同280円)などを平らげたという。

 角打ちバーは4月15日にオープンしたばかりの新施設「CoCoLo西N+(ココロニシエヌプラス)」の目玉店舗の一つだ。「米穀部」には、魚沼産コシヒカリでつくったおにぎり店もある。銀鮭や大葉みそなど約10種類の具から2種類を選び、1合(茶(ちゃ)碗(わん)2杯分)のご飯に入れた手作りの「ばくだんおにぎり」を手に新幹線に向かう乗客や会社帰りのOLが後を絶たない。

 新潟の銘酒をしばし楽しんだ後、“シメ”の塩にぎり(同160円)を食した。冷めてもしっかりとした“餅感”が残り、まろやかに甘い。さすが新潟。日本人の心、コメの偉大さを改めて実感させてくれた。(池田証志)

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 ◆ぽんしゅ館コンプレックス 角打ち部 新潟市中央区花園1の1の1。CoCoLo西N+内。午前11時(休日は午後2時)~午後10時。無休。問い合わせは(電)025・290・7332。