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【数字から見えるちば】ちばぎん総研研究員・黒島麻友 純貯蓄額全国2位

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【数字から見えるちば】
ちばぎん総研研究員・黒島麻友 純貯蓄額全国2位

 総務省統計局の家計調査(平成29年)によると、貯蓄額から負債額を引いた2人以上世帯の純貯蓄額は1295万円だった。都道府県庁所在地別にみると、千葉県は1893万円で、奈良県(1976万円)に次ぐ2位となっている。

 貯蓄と負債とを分けてみると、千葉県の貯蓄額は2234万円(全国6位)で、収入(632万円)との対比(貯蓄率)でみても全国6位(3・53倍)と、収入に対して貯蓄額が多い(倹約的である)のが特徴である。収入の全国トップは、もちろん東京都(779万円)であるが、貯蓄率が高くない(2・95倍、全国16位)ため、貯蓄額は2295万円と3位にとどまっている。

 貯蓄額1位は奈良県(2503万円)で、収入は27位だが、貯蓄率が高い(4・12倍、全国2位)。ちなみに、貯蓄率のトップは兵庫県(4・17倍)である。

 一方、千葉県の負債額は341万円(全国43位)と少ないことが目立つ。東京圏(東京都702万円、神奈川県644万円、埼玉県722万円)の中で際立って低い。収入との対比でみると、0・54倍と全国都道府県の中で44位だ。収入が比較的多い中で貯蓄率が高いため貯蓄が多く、借金は少ないというやり繰り上手な県民性が浮かび上がる。

 また、個人の負債の約9割は住宅・土地取得のためのローンであることからみて、千葉県民の借金の少なさの一因は、住宅(不動産)コストの割安さにも求められる。住宅などを相続した人も少なくないのかもしれない。

 国土交通省の29年都道府県地価調査で東京圏の県庁所在地別住宅地の平均価格(1平方メートル当たり)をみると、東京都区部が52万7800円で最も高く、横浜市(22万2600円)、さいたま市(16万5800円)、千葉市(10万5300円)の順となっており、千葉市は東京都区部の5分の1程度、横浜市の2分の1程度の低水準である。千葉県は都心への通勤圏の中では、住宅面のコストパフォーマンスが最も良いベッドタウンといえる。

 千葉県民の年間収入が全国平均を上回っている中、地価が相対的に安いことは、住宅コストが割安な分を貯蓄のほか教育、趣味などに充当することで豊かな生活を送れるポテンシャルを持っていることを意味する。さらには、海や里山に囲まれた自然環境や新鮮な食材に加え、東京ディズニーランド(TDL)などの日本有数のテーマパークやレジャー施設、ショッピング施設などの生活インフラにも恵まれている。

 この6月には東京外かく環状道路(外環道)が開通してさらに便利になるなど、千葉県は終(つい)の棲家(すみか)としてバランス感覚に富んでいる。千葉県の人口が現在も増加を続けていることはその証左の一つといえるだろう。(寄稿)