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長野知事選 立候補予定の2氏が公開討論会

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長野知事選 立候補予定の2氏が公開討論会

 知事選(19日告示、8月5日投開票)をめぐり、立候補を表明している現職で3選を目指す阿部守一知事(57)と、新人で元上田市議の金井忠一氏(68)が16日、長野市で開かれた公開討論会に臨み、県が直面する「人口流出」や「少子化・子育て」、「高齢化・介護」の3テーマについて、県の将来像を語った。討論会は、日本青年会議所(JC)の長野ブロック協議会が主催した。(太田浩信、久保まりな)

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 ■阿部守一氏(57)

 ◆人口流出…子育て環境や学びの場を整備

 県人口の社会減は続いているものの、減少幅は少なくなっている。東京一極集中の強い圧力を弱めることが重要だ。都会で暮らす若い世代、子育て世代、お年寄り世代と、それぞれの生活にあったアプローチで人口流入を図っていく。

 例えば、通勤ラッシュのない働く場、豊かな自然の中での子育ての場などをアピールする。県立大をはじめ、学びの場の整備にも力を入れる。県内の産業や企業を周知し、雇用の場の確保にもつなげたい。

 県外から多くの人を温かく迎え入れ、移住と定住の促進を進めたい。

 ◆少子化・子育て…安心できる出産へ産科医確保

 出産適齢期の女性が減少し続けているとはいえ、県内の合計特殊出生率は、長期的に少しずつ上昇している。結婚の出会いも、かつては近所の人が世話を焼いてくれていた。今は行政が婚活サポーターを育てている。

 子育ても「いい育児の日」を設けるなど受け皿の整備を進めている。安心して出産できるよう産科医や助産師の確保に努め、給付型奨学金の充実も図っている。

 国の社会保障制度は「タテ割り」の設計で行き詰まっており、「ヨコ」の連携で打開することこそ、県と市町村の役割だ。

 ◆高齢化・介護…健康づくりプロジェクト充実

 長野県は全国に誇れる長寿県であり、健康づくり県民運動「信州ACE(エース)プロジェクト」の充実を図り、高齢者の生きがいづくりに向けた県シニア大学の取り組みも充実させていく。

 安心して医療を受けられるよう医師確保に努める。地域の公共交通の確保も、医療や介護、買い物、防災などの生活に密着した問題であり、市町村の境を越える広域的な交通網の維持は県の役割となる。

 自家用車に過度に依存しない社会づくりに向けて、定期券タクシーや貨客混載バスなどの取り組みを応援したい。

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 ■金井忠一氏(68)

 ◆人口流出…特色ある大学で学生呼び込み

 人を引きつける快適な県をつくるには、安定した雇用や収入を確保するべきだ。豊かな自然や農業に憧れて長野に来る若者のために、住む場所や仕事を提供できる環境を整える必要がある。

 大都市圏への人口流出に歯止めをかけるために、学びの場も確保したい。県短期大学が今年から県立大として4年制大学になるなど、地域ごとに特色ある大学をつくり、県外の学生を呼び込んで、卒業後は県内で就職してもらう仕組みづくりが重要になる。若者の声を聞きながら、若い世代も安心して暮らせる長野にしたい。

 ◆少子化・子育て…ひとりぼっちの子育てなくす

 県内で出産のできる病院が減っている。施設がない、場所がないといった地域も出てきている。医師と助産師の連携を強め、助産所外来や助産所の開設をしたり、助産師の研修を充実させたりし、出産できる病院を増やしていく必要がある。

 子育ての観点からは、子育て支援センターを含め、いざというときに相談できる「安心体制」を地域で整えるべきだ。発達相談、子育て相談を含め、ひとりぼっちの子育てをなくすことが大切。特に、今増えてきている児童虐待に対し、県の児童相談所の体制強化が重要ではないか。

 ◆高齢化・介護…経験や知識を地域発展に活用

 75歳以上でも元気な高齢者はたくさんいる。「生涯現役の高齢者」が活躍できる場を広げていく必要がある。

 例えば、シルバー人材センターを活用し、さまざまな趣味を生かしてもらったり、地域の街づくりに参画してもらったりして、高齢者の智恵や知識を地域の発展に役立てたい。「75歳になったから、ひと肌脱いでやっていこう」と思ってもらえるようにしたい。

 一方、公共交通の充実や高齢者の足の確保も重要だ。地域によって事情が違うだろうから、行政が地域住民の声を聞き、一緒になって考えていくべきだ。