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【高校野球群馬大会】高崎商大付・高杉魁主将 強気に戦い「力出し切れた」

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【高校野球群馬大会】
高崎商大付・高杉魁主将 強気に戦い「力出し切れた」

 「勝ちたかった」。うつむきながら何度もつぶやいた。それほど夏大会に込めた思いは強かった。

 1年の秋にベンチ入り。練習は休まず、食事をするときもテレビで研究。まさに野球漬けの生活だった。だが2年の夏大会は出場機会を得られず、「我慢強さが足りない」と渡辺賢監督はあえてベンチ入りをさせなかった。スタンドで見守る試合。同級生の活躍はうれしい半面、悔しさが募った。

 新チームでは、野球への真摯(しんし)な態度が買われ、秋大会後に主将に抜擢(ばってき)。「高杉が成長しないと勝てない」という監督の期待に「自分がやってやろう」と決意を固めた。

 高崎商に1-3でリードされて迎えた六回の打席。高めの直球をうまく捉えセンター前へ。得点には結び付かなかったが、ベンチに戻る時には笑顔を見せた。「チャンスが一度つぶれたくらいで諦める練習はしていない」

 八回裏、1死一、二塁。飛んできた打球は左翼を守る高杉の真横に落ちた。無我夢中で駆け寄ったが間に合わず2失点。「まだまだいくぞー」。チームメートを鼓舞するようにベンチで雄たけびを上げた。

 チームは点を奪い返せず、1-5で試合終了。思い焦がれたグラウンドで“強気”に戦い抜いた主将の姿は頼もしかった。「力は出し切れた。思い切り野球ができて幸せだった」。涙は見せず、まっすぐ前を見た。(糸魚川千尋)