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「戦争になるとどうなるか考えて」 映画「陸軍前橋飛行場-」原作の鈴木越夫さん 高崎の小学校で「平和の授業」 群馬

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「戦争になるとどうなるか考えて」 映画「陸軍前橋飛行場-」原作の鈴木越夫さん 高崎の小学校で「平和の授業」 群馬

鈴木さんの授業に熱心に耳を傾けていた子供たち=6日、高崎市立堤ケ岡小学校(椎名高志撮影) 鈴木さんの授業に熱心に耳を傾けていた子供たち=6日、高崎市立堤ケ岡小学校(椎名高志撮影)

 群馬県高崎市棟高町の市立堤ケ岡小学校(常本公志校長)で6日、「平和の授業」が行われた。かつて同校の東隣りには太平洋戦争末期に急造された陸軍前橋飛行場が存在し、飛行場に関したドキュメンタリー映画が8月に一般公開されるのを機に実現。映画の原作者で授業の講師を務めた鈴木越夫さん(73)は「平和のこと、戦争になるとどうなるかを考えてほしい」と子供たちに語りかけた。 (椎名高志)

 同飛行場は昭和18年5月に測量が始まり、翌19年8月1日に完成。終戦とともに公文書などの資料の多くは廃棄されたため、旧群馬町の元教育長でもあった鈴木さんは「飛行場に関わった人たちの記憶を残すべきだ」と決意、8年前から記録化に力を尽くした。これまでに証言などをまとめた「陸軍前橋(堤ケ岡)飛行場と戦時下に生きた青少年の体験記」など4冊の本を出してきた。

 鈴木さんは「飛行場には操縦士の養成場、中島飛行機製作所の分工場、特攻隊の訓練基地という3つの役割があった」と指摘する。

 鈴木さんの著書を元にした映画のタイトルは「陸軍前橋飛行場 私たちの村も戦場だった」。約40人の地元住民らが登場しさまざまな体験を語っている。

 6日の授業は、「73年前の堤ケ岡地区で起きた出来事を知り思いをはせよう」と、5年生児童91人を対象に行われた。

 昭和20年7月10日に同校の前身である堤ケ岡国民学校が米軍機に銃撃されたこと、遊ぶときにも子守をしながら一生懸命に働く当時の小学生の生活…。展示された資料やスライドを使っての講義が続いた。飛行場建設のため勤労奉仕に駆り出され映画にも出演した羽鳥久子さん(91)も招かれ、「(奉仕は)頭に砂をかぶりながらで本当に大変だった」などと振り返った。授業を受けた高山空君(10)は「学校が銃撃されたことを初めて知った。驚いた」などと感想を述べた。

 映画の県内での一般公開は、前橋シネマハウスが8月4日~17日、シネマテークたかさきが8月11日~24日。鈴木さんは「本とは異なり、当時の記憶を体全体で伝えられることに意義がある。特に若い人たちに見てもらいたい」と呼びかけている。