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オウム死刑執行 脳裏に24年前の恐怖 松本サリン事件引きずる住民

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オウム死刑執行 脳裏に24年前の恐怖 松本サリン事件引きずる住民

 オウム真理教事件で教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(63)の死刑が執行されたことを受け、8人が死亡、約600人が重軽症を負った松本サリン事件の現場となった松本市北深志の住宅街では6日、住民らの脳裏に24年前の恐怖がよみがえった。

 平穏な城下町で突然起きた凶悪事件。現場近くで医薬品店を営んでいた女性(89)は、夜中に警察官から「外には絶対、出ないで」と注意されたという。

 事件後には皮膚が荒れてなかなか直らなかった。「いま思うと、サリンのせいだったと思う」。自身も怖い思いをしたが、「若い命が失われたことが悔しい」と目を閉じた。

 現場の北側に住む男性(73)は「長かった。やっとかという思い」と語った。当時、風向きが異なっていたら被害に遭っていた可能性が高かったといい、「なぜ松本市だったのか。とんでもない事件だった」と怒りをあらわにした。

 オウム真理教の後継・派生団体は活動を継続させていることから、「人間が生きている限り、こういったことが再び起こるのではないか」との不安も口にした。

 死刑執行に、「一区切り付いた」と話す男性(84)は「事件のことを忘れている人も多い」とつぶやいた。別の男性(67)は、麻原死刑囚が事件の真相を語っていないことに「仕方がない。でも…」と割り切れない表情を浮かべた。

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 阿部守一知事は6日の定例記者会見で、「多くの若者が教団に引きつけられ、なぜこういう行動を取ったのかが必ずしも分からない状況で、関係者は心の持って行き場がないほどつらい状況だろう」と述べた。同時に、「二度とこうしたことが起きない社会にしていかなくてはいけない」とも強調した。