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八ケ岳遭難、人命救助に尽力 山小屋経営の竹内敬一さん(63) 山梨

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八ケ岳遭難、人命救助に尽力 山小屋経営の竹内敬一さん(63) 山梨

 ■約300件の出動…警察庁長官から協力章

 県内の山岳遭難救助に長年貢献してきたとして、八ケ岳の山小屋「青年小屋」「権現小屋」を経営する竹内敬一さん(63)に、警察庁長官から警察協力章が贈られ、県警で3日、青山彩子本部長が伝達した。竹内さんは北杜署の記録で171回、それ以前も含めると計300件近くの山岳遭難で出動し、人命救助に尽力している。 

 伝達式で青山本部長は「40年近くにわたり山岳救助で活躍され、県警の山岳救助の指導もしてくださりました」と感謝の言葉を述べた。

 竹内さんは報道陣に「人命に関わることですから。山小屋で長年やってきたことの積み重ねです」と静かに語った。

 竹内さんは千葉県出身。都内で働いた後、登山好きだったため小淵沢町(現北杜市)に移住した。昭和56年に八ケ岳で山小屋の手伝いを始め、59年に経営者となった。2005(平成17)年にはエベレストに登頂している。

 県警によると、平成2年に長坂署(現北杜署)の山岳救助隊に参加した。八ケ岳や甲斐駒ケ岳を中心に、遭難現場に出動。12年には同隊の隊長に就任。今年2月、県警の山岳遭難救助アドバイザーに委嘱されている。

 昨年、県警幹部と懇談した際、「県警では数年で人事異動が行われ、山岳救助の専門家が育ちにくい」と訴えたという。県警はこうした指摘などを受け、今年2月に山岳救助活動と遭難防止を専門とする「山岳警備安全対策隊」を地域課に設置した。

 幼少期に千葉の九十九里浜で地引き網を引いた経験から、登山のザイルにも早くから親しみを感じたという竹内さん。

 「自宅内に岩場を想定した壁を作ってトレーニングしている。月に1回は20キロの荷物を背負って自分の山小屋まで全速力で登っている」と、今も体力と技量の維持を怠らない。

 竹内さんは今後の目標について、「県警の方々と訓練を重ねて、長野や富山にも負けない山岳救助を行っていきたい」と意気込みを語った。