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ステンドグラス作品展、石見銀山に輝く 空き家再生のホール、こけら落とし 島根

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ステンドグラス作品展、石見銀山に輝く 空き家再生のホール、こけら落とし 島根

 世界文化遺産「石見銀山遺跡」(島根県大田市)の大森地区にある「なかむらホール」で、ステンドグラス作品展が始まった。出展したのは、フランスにアトリエを構える松田日出雄さん(74)と門下生の釜池美智子さん(48)。大森地区に本社を置く義肢装具メーカー「中村ブレイス」が空き家を再生して開設した同ホールの優美なこけら落としとなった。

 なかむらホールは、廃業して空き家となった同地区内の梅加工場を同社が買い取り、昨年1年間をかけてリノベーション。一帯の国重要伝統的建造物群保存地区に調和するよう外観を工夫し、建物の一部がイタリア料理店として今年1月に先行オープン。残りを交流スペースとして整備し、なかむらホールと命名した。

 ホール完成後初めての行事となった2人展。「石見銀山とは縁もゆかりもなかった」という松田さんと当地を結びつけたのは、フランスを拠点に活動するバイオリニストの破魔澄子さんだった。フランス人でフルート奏者の夫とともに石見銀山に魅了され、大森地区で演奏会や音楽教室などの開催に取り組む破魔さん。フランスで松田さんからステンドグラス制作の指導を受けるなどの交流があり、「松田さんの作品は大森の町に合う」との勧めで今回の展覧会が実現した。

 「天井の高いホールの雰囲気が教会に似ており、一目で気に入った」と松田さん。“東洋のカリグラフィー”と評された抽象的なデザインの作品を出展。展示方法に工夫を凝らし、教会の壁にはめ込まれたような雰囲気も再現してみた。これとは対照的に、釜池さんは風景や動物などを描いた心温まる作風の具象作品を並べている。

 開幕日の1日夜に開かれたレセプションで、松田さんは「たとえお客さんがいなくても構わない。ここに展示できたことがうれしい」というほれ込みぶりを披露。母親の実家が同県江津市で島根に格別の思いを持つ釜池さんは「島根で自分の作品を展示できる機会がいただけるとは…」と喜んだ。

 同社の中村俊郎会長は「大森の町で、世界的に活躍するアーティストたちと交流できるのは夢のよう。ホールが、さらに新たな出会いの場となってほしい」と期待する。会期は10月31日まで(8月7~19日は休館)。入場無料。