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昭和の面影…遊技場に別れ 城崎温泉街の国文化財、解体進む

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昭和の面影…遊技場に別れ 城崎温泉街の国文化財、解体進む

取り壊し前に行われた見学会。昔懐かしい遊技機が並んでいた=豊岡市城崎町 取り壊し前に行われた見学会。昔懐かしい遊技機が並んでいた=豊岡市城崎町

 豊岡市の城崎温泉街にあり、昨年10月に国登録有形文化財となった「うめのや遊技場」の解体が進められている。射的やパチンコ台など温泉地の歓楽街ならではの面影を残す貴重な建築物だった。取り壊された後は、但馬地域では初の登録抹消になる予定だ。

 同遊技場は木造2階建てで、大正14(1925)年の北但大震災後の復興にあわせ、建てられた。旅館だったが、ショー劇場やスマートボールなどを楽しめる歓楽街の遊興施設として改修され、浴衣姿の温泉客らでにぎわった。

 だが、「温泉地の歴史的景観に寄与している」として文化財登録された時点ではすでに休眠状態だったといい、経営していた高齢女性が市外の親類宅へ転居したのに伴い、売却された。

 解体を前に、市民有志でつくる「豊岡まちなみ連盟」が同遊技場の新しい所有者に働きかけ、21日に“お別れ”の見学会を開いたところ、70~80人が訪れ、昭和の歓楽街を彩った名残を懐かしんだという。

 同市文化財室によると、国登録有形文化財は所有者が現状変更届を文化庁に提出すれば解体は可能だ。

 同温泉街には往時、約20軒の遊技場があったとされるも、今は数軒に減少。同連盟の松井敬代事務局次長(63)は「観光地としての城崎の大衆文化を伝える希少な建物だった。無くなるのは残念」と回顧する。

 解体工事は26日から始まり、近く完全に姿を消す。取り壊された後は駐車場に整備される。