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九州豪雨1年 集落壊滅、復旧道半ば 今なお1100人避難

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九州豪雨1年 集落壊滅、復旧道半ば 今なお1100人避難

 40人が犠牲になった昨年の九州北部豪雨から、7月5日で1年を迎える。想定をはるかに超える記録的集中豪雨は、山間部に甚大な被害をもたらし、復旧復興の見通しは立たない。高齢化した住民の避難など、全国に共通する課題も浮き彫りとなった。梅雨だけでなくゲリラ豪雨、台風に伴う大雨など土砂災害のリスクは増大する。日々の備えに加え、災害情報を分析し、予測精度を向上させることが急務になっている。

 福岡、大分県境の山間部は壊滅的な打撃を受けた。林野庁によると、約1千カ所で土砂崩れが発生。中小河川は短時間で氾濫し、住民の孤立が相次いだ。今なお約1100人が避難生活を続け、山村集落は過疎化も重なり、存続が危ぶまれる。

 筑後川支流域の福岡県朝倉市と東峰村、大分県日田市に被害が集中した。約1千万立方メートルの土砂と、約20万トンの流木が、濁流となって一気に押し寄せたとされる。

 死者は関連死を含めて40人で、朝倉市では2人が行方不明のままだ。

 河川などの応急復旧は一定のめどがついた。一方、山間部の集落は重機が入れず、被災家屋の解体が手つかずの場所もある。

 人口流出も深刻だ。朝倉市の松末地区は約700人のうち、戻ったのは4割程度。住民の多くは高齢者で、農業、井上昭明さん(67)は「このままでは集落から誰もいなくなる」と心配する。

 朝倉市の5地区約70世帯は被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」の認定に合意した。住民は支援金を受け取る代わりに、安全が確保されるまでは居住できず、解除には数年かかる見通しとなっている。