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静大と浜松医大、再編へ協議会 33年度めどに新法人発足

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静大と浜松医大、再編へ協議会 33年度めどに新法人発足

 静岡大(静岡市駿河区)と浜松医大(浜松市東区)は28日、それぞれの大学を運営する国立大学法人の統合に向けて連携協議会を設置したと発表した。静岡大浜松キャンパス(浜松市中区)と浜松医大を再編統合して新大学を誕生させた上で、新しい国立大学法人が2つの大学を運営する構想を描いている。早ければ平成33年4月にも新法人が発足する。

 静岡大の石井潔学長と浜松医大の今野弘之学長が静岡大浜松キャンパスでそろって会見し、発表した。

 現在の国立大学法人法では、1法人は1大学しか運営できない。しかし文部科学省は1法人が複数の国立大学を運営する「アンブレラ方式」が可能になるよう、来年にも法改正する方針。両大学はこの制度改正を見越して法人統合に向けた検討を始めることにした。

 浜松地区では、静岡大浜松キャンパスの工学部、情報学部と浜松医大の医学部を再編統合することで、医学と工学をまたぐ領域の研究、浜松市に集積する光産業との連携などが期待できるという。一方で静岡大静岡キャンパス(人文社会科学、教育、理、農学部)については、学部の編成を変えずに新大学に移行させることを想定している。

 18歳人口の減少や文科省の制度改正方針を受け、国立大学では名古屋大と岐阜大などが法人統合を検討しているが、大学再編を伴う動きは全国でも静岡大と浜松医大が初のケースとなる。

 静岡大の石井学長は「大きな組織変更であり、将来の大学のあり方を先取りする試み」と評価。浜松医大の今野学長は「多くのシナジー効果が生まれ、本校発の機能強化が可能になると考える。医療のプラットフォームづくりや県が進める健康寿命の延伸にも貢献できるのではないか」と教育研究面でのメリットを主張した。

 法人統合実現後には、文科省が制度設計を進める「大学等連携推進法人(仮称)」のもとで近隣の公立大学や私立大学と連携することも視野に入れており、県内外の大学に呼びかけていく。

 ただ、受験生への周知には時間がかかるため、33年度に法人統合が実現しても浜松地区の新大学に新入生が入学するのは早くても34年度になるという。

 両大学の幹部10人で構成される連携協議会は7月中に初会合を開き、今年中にも法人統合を正式決定して統合時期や運営方法を協議することにしている。(田中万紀)