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松江・小泉八雲記念館で彫刻家・亀斎との交流焦点に企画展 気楽坊人形など30点紹介

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松江・小泉八雲記念館で彫刻家・亀斎との交流焦点に企画展 気楽坊人形など30点紹介

 明治時代の文学者・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、「松江の名工」と称された彫刻家・荒川亀斎との交流に焦点を当てた企画展が八雲の誕生日に当たる27日、松江市の小泉八雲記念館で始まった。

 荒川亀斎(1827~1906年)は、松江の大工の家に生まれ、彫刻だけでなく日本画や国学、書道、金工など幅広い知識と技術を持ち、国内外で数々の賞を獲得。1893年の米・シカゴ万博では「稲田姫像」で優等賞に輝いた。

 同館が、八雲の著作や同僚で通訳だった西田千太郎の日記、当時の新聞記事などを丹念に付き合わせ、八雲と亀斎の交流ぶり、八雲の審美眼や美術観、亀斎を世界に知らしめようとする“プロデューサー”的役割などを浮き彫りにした。

 会場には、2人が意気投合するきっかけとなった亀斎作の地蔵仏頭をはじめ、亀斎に見せられて感銘を受けたことを八雲が著書で触れた気楽坊人形など、亀斎の作品や関連資料など約30点を展示。稲田姫像の出品に当たり、八雲が亀斎にさまざまな助言をした上、像が戻ってきた際には出雲大社への奉納を勧めたことなど興味深いエピソードも紹介されている。

 平成31年6月9日まで。会期中、館長のシリーズトークや亀斎や気楽坊をテーマにした講演会、市内の亀斎作品をたどるツアーなどが企画されている。問い合わせは同館(電)0852・21・2147。

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 ◆八雲愛した日本の美、小泉凡館長が講演

 小泉八雲記念館の企画展「八雲が愛した日本の美-彫刻家・荒川亀斎と小泉八雲」の開幕に合わせ、小泉凡館長が27日、「小泉八雲と日本の芸術」と題して松江市の同館で講演。「八雲の精神性は、その後の民芸運動に通じるものがある」と話した。

 八雲のひ孫に当たる小泉館長は、八雲研究の第一人者。さまざまな文化を受容する八雲のオープンマインドは、それまで正当に評価されなかった無名の職人による生活の中の美を発掘した民芸運動に似た精神を持つ-と分析した。

 また、民芸運動を主導した柳宗悦の「八雲ほど日本を内面から味わい得た人はおらず、日本人より日本を一層よく理解していた」という言葉を紹介。柳の「さわりなき心の眼」と八雲のオープンマインドのまなざしが似ている、と述べた。