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昔話や伝説など760話収録「つやまの民話」好評 市民らの声受け初刊行

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昔話や伝説など760話収録「つやまの民話」好評 市民らの声受け初刊行

 津山地域に伝わる昔話や伝説など760話を収録した津山市史の民話編「つやまの民話」(A5判、本文640ページ)が、今月から津山市内の書店などで販売され、売れ行きが好調という。市民らの熱望によって完成した民話編は、同市出身の日本民話の会会長、立石憲利さん(80)による聞き取り集で、刊行した市史編さん室は「民話としてのおもしろさに加え、民俗学的な資料としても貴重」としている。

 「つやまの民話」は、同市が周辺3町1村と合併した平成17年以降初の市史の別巻として発売した同市初めての民話集。

 「民話集をつくってほしい」という市民らの要望に応え、同編さん室から執筆の依頼を受けた立石さんが、26年から聞き取りを開始。個人や郷土史研究会など約150団体から得た民話を、忠実に書き下ろし、4年余りかけて完成させた。

 「大年の晩にゃあなあ、大きな声ぅして賑(にぎ)やかさずに、喧嘩(けんか)をせずにおりゃあ金馬が来るいうて」(「大年の金馬」より)や「こりゃあ、めずらしい大鯉じゃ、ごっつおうになるぞ」(「大ヶ仙の主」より)など、方言の味わいをそのまま生かしており、地域で語り継がれた昔話や伝説、世間話など類似の話も含めて集められている。

 立石さんは「人々の暮らしや伝承は、書き残しておかなければ消えていく。1つの民話集となったことは大変感慨深い」とし「この民話集を通して、親子や地域のつながりとして、語りが盛んになっていけば大変うれしい」と話し、同編さん室の小島徹室長補佐は「地域で生きる人の温かさを感じ、郷土愛を育んでほしい」としている。

 1冊2千円。市内書店と津山郷土博物館(同市山下)での販売をはじめ、市内の公民館や学校には配布され、市立図書館にも置かれている。