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【栃木この人】ナスラボ代表・木下愛貴さん(30) 地域振興をプロデュース

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【栃木この人】
ナスラボ代表・木下愛貴さん(30) 地域振興をプロデュース

 那須町黒田原地区のマスコットキャラクター「クロロとゆめな」のプロデュースを続け、5月、初のアルバムCDを発表した。

 同町の中では観光名所が少ない黒田原地区のイメージアップを図ろうと、昭和40年代まで同地区にあった馬市場にちなんで同町商工会が考案したのが、農耕馬、クロロとその世話をする少女、ゆめな。今では町公認キャラクターとなっている。

 同町の元地域おこし協力隊でゆめなの写真集を企画し、商工会からも映像制作を依頼され、同キャラクターのプロデュースを始めた。協力隊の任期を終えた今も、自らが立ち上げた一般社団法人「nasu lab.(ナスラボ)」の代表としてプロデュースに関わり、イベント参加などで地域振興に取り組んでいる。

 「全国に数多くのご当地キャラクターが存在するが、着ぐるみと人間のハイブリッドキャラクターは全国にほとんどない。それも、どちらかがサポート役ではなく、共に主役。素材の面白さや希少性を感じた」と魅力を語り、「キャラクターはコミュニケーションを図る上で壁を取り除く緩衝剤。地域をPRする有力なツール」と力を込めた。

 写真集に続いて、短編映画も制作。さらにそのテーマソング、プロモーションビデオ、キャラクターのラッピングカーなどを次々に発表。映画は小山市で開かれた「おもいがわ映画祭」で上映、小山市長賞に選ばれた。

 初のアルバムCDでは、ゆめなの妹「ゆめの」がデビュー。地元の自転車チーム、那須ブラーゼンのイメージソングも手がけた。県外のイベントにも参加し、活動の幅を広げ、地元では駅前の空き店舗を活用し、ミニFM局「だっぱラジオ」を立ち上げ、地域情報を発信。現在、那須町の移住定住コーディネーターも務めている。

 「これまで話題作りに最も力を入れてきた。単に黒田原といっても伝わりにくいが、キャラクターを知ってもらえば同時に地域の知名度もアップする」

 那須町には友人がおり、学生時代に何度も訪れていた。何より出身地の北海道と風景が似ていたのが協力隊に応募したきっかけ。今後も那須を拠点に全国にフィールドを広げていきたいと考えている。

 「ゆめなになれば、芸能界への道が開けるなど仕組み作りを考えたいと思っている。映像プロダクションのようなものを立ち上げ、地域の人と一緒にローカル企業のプロモーションビデオなどを手がけ、雇用にもつなげたい」と夢を語った。

 ご当地キャラクターを生かした地域作り。その取り組みは“進化”を続けている。(伊沢利幸)

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【プロフィル】きのした・あいき 

 昭和63年4月、北海道函館市生まれ。埼玉大卒業後、会社勤めを経て、平成27年8月に那須町地域おこし協力隊に。28年4月、ナスラボを設立。那須町在住。