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いじめ対策アプリ導入広がる 匿名で報告や相談、効果高く 千葉

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いじめ対策アプリ導入広がる 匿名で報告や相談、効果高く 千葉

 インターネット上でいじめられたり、友人へのいじめを匿名で報告や相談できるスマートフォン用のアプリ「STOPit(ストップイット)」が広がりを見せている。昨年度、千葉大や敬愛大、柏市教育委員会などが同市の公立中を対象にアプリを無償配布しておこなった産学官連携の事業では、アプリを使った相談件数が急増し、効果も出ている。本県でも今年度から野田、山武両市の公立中でアプリ導入が決定。いじめ根絶の取り組みとして期待が集まる。

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 ストップイットは米国発のアプリで、2014年5月に開発。カナダ、オーストラリアやニュージーランドでも導入されている。日本では、平成27年10月に設立されたITサービス会社「ストップイットジャパン」(東京都)が独占販売代理店契約を締結して、展開。28年6月に大阪府の私立中で導入されたのを皮切りに、29年度は柏市の全公立中20校で導入された。

 アプリは生徒が所有するスマートフォンなどにダウンロードし、利用時は学校名と学年だけが表示される仕組み。画面上で市教委の担当者と直接やりとりができ、市教委が相談があった学校に連絡、情報を共有して、いじめ解決に寄与するとしている。

 千葉大教育学部教員養成開発センター特別研究員でストップイットジャパンの谷山大三郎社長(35)がこのアプリを日本で普及させようと考えたのは「私も小中でいじめを受けたが誰かに相談できずに我慢していた」という経験が大きいと明かす。

 加えて、「電話やメールでの報告や相談は、生徒にとってハードルが高い。米国で簡単に報告や相談ができるアプリがあると知り、問い合わせた」という。

 千葉大などによると、柏市では昨年度中学生486人が利用。市教委への相談件数は電話12件、メール3件に対し、ストップイットは133件。ストップイット導入でいじめが明らかになったケースも多い。

 柏市ではアプリ導入だけでなく、生徒がいじめを傍観しないように啓発する授業「私たちの選択肢」も併せて実施。授業の教材開発にも携わった谷山氏は「アプリだけではなく、生徒自身が相談できる力を身につけないといけない。いじめを許さない教育とアプリが両輪として機能すれば、いじめは減っていく」と強調する。

 平成30年度は野田、山武両市のほか、県外の茨城県牛久市、埼玉県草加市などもアプリ導入を決定。全国約100校で5万人が利用可能となるが、先行する米国は約6千校、330万人の導入実績がある。

 谷山氏は「アプリ導入を契機に、生徒同士が多様性を認めあい、いじめがないのが当たり前になってほしい」と期待を込めている。