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旧大槌役場の解体開始 岩手住民団体、保存要求も

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旧大槌役場の解体開始 岩手住民団体、保存要求も

解体工事が始まり、旧役場庁舎内部のがれきなどが運び出された=18日、岩手県大槌町 解体工事が始まり、旧役場庁舎内部のがれきなどが運び出された=18日、岩手県大槌町

 東日本大震災の津波で被災し、当時の町長や職員が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎の解体工事が18日、始まった。約1週間かけて、内部のがれき撤去などを行った後、庁舎本体の取り壊し作業に移る見込み。

 旧役場庁舎をめぐっては、保存を求める住民団体「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表(46)らが、住民監査請求を申し立てたり、解体差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てたりしている。

 工事開始後、報道陣の取材に応じた平野公三町長は「さまざまな意見があることを十分に承知しながら、粛々と進めていく」と話した。

 この日は午前8時ごろから、約10人の作業員が庁舎に入り、がれきの分別作業を始めた。小型重機を使って、大きめのがれきを建物外に引っ張り出していた。

 解体工事の着手前日となった17日、旧役場庁舎前には、撮影したり、地蔵や祭壇に手を合わせたりする人の姿があった。1時間ほどの間に、家族連れや夫婦、10組ほどが訪れ、庁舎の囲いのすきまから、内部をのぞき込み、津波の爪痕を目に焼き付けていた。

 旧役場庁舎は平成25年、碇川豊前町長が震災遺構として正面玄関などの保存を表明。しかし27年8月の町長選で、解体を公約に掲げた平野町長が当選した。町議会は今年3月、解体関連の予算案を可決していた。