産経ニュース

袴田事件、再審認めず 「とことん手続き尽くし特別抗告」弁護団一問一答 静岡

地方 地方

記事詳細

更新


袴田事件、再審認めず 「とことん手続き尽くし特別抗告」弁護団一問一答 静岡

 袴田巌元被告の即時抗告審で、東京高裁が再審開始を認めないとの決定を受け、弁護団らは東京・霞が関の弁護士会館で記者会見を開いた。主な一問一答などは以下の通り。(石原颯)

                   ◇

 【姉の袴田秀子さん】

 「大変残念な結果。ただ、巌の身柄が拘束されないことを書いているので一安心している。(本人は)今日のことは半分ぐらい分かっていて半分ぐらい分からない、そういう状況。弁護士に頼るしかない」

 【西嶋勝彦弁護団長】

 「今日は誠に残念な決定となった。決定文の大半はDNA鑑定の新規明白性を否定することに費やされている。彼(弁護側の依頼を受けた筑波大の本田克也教授)の手法が世界に認められていない研究途上の新しい手法であることを最大の論拠にしているが、必ずしもそうではない。本田さんの論文は世界で評価され、同じ手法で結果が出ていることをまったく無視している」

 「(5点の衣類や録音テープなどを踏まえた)トータルな観点は今回の決定に見られなかった。われわれは到底、承服できない。再審請求審は無実を訴える人のための手続きだから、とことん手続きを尽くし、最終期限の18日までに特別抗告したい」

 【質疑応答】

 --身柄拘束されないことで一安心しているということだが、これから(袴田元被告に)どう生活してほしいと思っているか

 袴田秀子さん「巌にはなるべく余分なことを言わないように生活してきた。徐々に正気に返り、まともになってきた。笑顔が出たり、明るくなった。良い知らせだったら巌に喜んでもらいたいと思っていたが、不幸にしてそれを味わわせられなかった」

 「再審開始になっていつかおめでとうと言われるようになる。それに向かって、余分なことは言わないように暮らしていくつもり」

 --第2次再審請求審で取り調べの録音データの存在が明らかになった。死刑判決が出る前の最初の裁判でそういった証拠が出ていれば結論が違ったのではないかという指摘があるが

 西嶋弁護団長「取り調べの少なくとも48時間分のデータが出て詳細を分析した。何も知らない袴田さんが検察官の想定に沿って供述させられていくプロセスが分かる。単なる自白の信頼性の問題ではなく、捜査全体の問題だと主張したが、裁判所は聞く耳を持たなかった」

 --釈放の判断を最高裁に投げている状態をどう考えるか

 西嶋弁護団長「一旦は身体拘束を解くという判断が出た。最終判断があるまでそういう状態にしておくのは、一つの合理的な判断。検察側はこの決定があったとしても身柄を拘禁できないわけではないが、世論の批判があるので、できないだろう」

 --今回の決定は本田鑑定の信用性と再現性を否定する結果となった。最高裁での争いとなった場合、どのような戦い方が考えられるか

 笹森学弁護士「東京高裁が判断したDNA鑑定の手法の理解に誤りがあり、著しく誠意に反するということで戦っていくことになる。(弁護団の再現実験は)『元々の鑑定と違う手法』という想定外の判断をしている。一つずつ考え方が誤っているということを主張していこうと考えている」

 --改めて鑑定を追加することはあるか

 笹森弁護士「すでにやったもので十分理解してもらえると考えている」