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山梨大「水晶庫」の移設作業開始 オープン後、所蔵品展示

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山梨大「水晶庫」の移設作業開始 オープン後、所蔵品展示

水晶庫をロープで引く大学関係者=7日、甲府市武田 水晶庫をロープで引く大学関係者=7日、甲府市武田

 山梨大の甲府西キャンパス(甲府市武田)で7日、90年以上の歴史を持つ「水晶庫」の移設作業が始まった。同大出身でノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏の記念学術館(7月19日開館予定)の北側に併設して同時にオープン。所蔵する水晶や水晶工芸品を広く観賞してもらいたいという。移設は建物を壊さずレール上に載せて引っ張る「曳家」方式で実施。7日は移設開始のセレモニーが行われた。(昌林龍一)

 山梨大によると、昭和2年築の水晶庫は、鉄筋コンクリート平屋で床面積が約40平方メートル。大正8年に韮崎市出身の百瀬康吉氏から当時の県師範学校に寄贈された水晶や鉱物のコレクション46点を保存してきた。

 水晶庫は甲府空襲の被害を免れ、当時の姿を残しているが、平成25年に保存品を甲府市丸の内の「山梨ジュエリーミュージアム」に移し、防災用備蓄品の保管場所になっていた。

 同大は武田通りに面した大村智記念学術館の完成を前に、「水晶庫の建物をそのまま使い、学術館と一体化した活用を目指したい」(施設・環境部)と移設を決めた。

 移設先は水晶庫が建つ本部事務棟前から北に約18メートル、そこから東に25メートル。曳家方式は、このルートに枕木とレールを敷き、基礎部分を補強した水晶庫をころ(ローラー)に乗せて引っ張る。移設作業は20日ごろまで約2週間の予定。跡地は大学の防災広場にする。

 施設・環境部によると、移設後の水晶庫では、同大所有の約170点の水晶と水晶工芸品から、大型で透明度が高く、希少性があるという「双晶結晶」など20数点を展示する予定だ。建物の国登録有形文化財指定も目指す。

 7日の移設セレモニーでは、レールに乗せられた約70トンの水晶庫を、島田真路学長ら大学関係者13人がロープで10センチほど引っ張った。

 島田学長は「大村智記念学術館とともに多くの人に訪れていただきたい。甲府の観光スポットの一つにしたい」と話した。