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「地域で経済循環」、映画で実感 「おだやかな革命」、15日から仙台で上映

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「地域で経済循環」、映画で実感 「おだやかな革命」、15日から仙台で上映

 ■エネルギー自治の取り組み追う 

 自然エネルギーで電力を作り、その地域の活性化につなげる「エネルギー自治」の取り組みを追ったドキュメンタリー映画「おだやかな革命」が15日から仙台市内で公開される。山形県鶴岡市在住の渡辺智史監督(37)は、再生可能エネルギー事業の潜在力だけでなく、「地域でお金や志が循環していくことを実感してもらえる」と作品について語っている。(高梨美穂子)

 渡辺監督は4年前、福島県内で行われた「コミュニティパワー国際会議」で、この題材に出会った。

 東日本大震災後、市民出資で事業を始める市民電力、地域エネルギーの「エネルギー自治」の取り組みが始まっていた。売電収益で地域の農村振興や福祉、教育といった社会的課題に投資し、地域内で経済が循環する。そういった「持続可能な社会のあり方」を模索する企業家たちを2年余りにわたり取材した。

 取り上げたのは全国5カ所。福島県喜多方市の会津電力は原発事故後に酒造会社の当主が立ち上げた。売電収益は出資者の地域の人々に還元される仕組みだ。同県飯舘村ではこの当主の後押しを得て畜産農家らが飯舘電力を設立、太陽光発電などで売電をしながら農地を守っていくという。

 秋田県にかほ市では、首都圏の消費者と地方農家、食品加工業者が連携して風力発電を行い、「都市と農村の共存する様子」を描いた。岐阜県郡上市の小水力発電事業、岡山県西粟倉村の森林を生かした事業も取り上げた。

 「東北のほとんどの市町村が30~40年後には厳しい状況にあるというリポートに衝撃を受けた」という渡辺監督。一方で「地方に住みながら地方でいま起きている、新しい価値観の変化、新しい地域の可能性を感じている」という。

 今回の作品はドキュメンタリー長編3作目。在来作物と種を守り継ぐ人々を追った前作「よみがえりのレシピ」は香港国際映画祭などで招待上映された。今作のナレーションは女優の鶴田真由さんが担当。東京の映画館、ポレポレ東中野では2月から3カ月のロングランとなり、東北では山形市と鶴岡市で公開された。

 仙台での上映は15~28日まで、JR仙台駅東口のチネ・ラヴィータで。16日には渡辺監督らによるトークイベントのほか、同館のあるビル「BiVi」1階で、映画に出てきた各地の産品や県内・東北の手仕事の一品などを持ち寄ったマルシェ(午前11時~午後4時)も開催される。