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出雲国府跡でウオークイベント 島根県立図書館が特別講座 参加者、万葉の世界満喫

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出雲国府跡でウオークイベント 島根県立図書館が特別講座 参加者、万葉の世界満喫

 古代出雲の中心地だった「出雲国府」跡を、万葉の世界に触れながら歩くウオーキングイベントが、松江市内で開かれた。参加者は、「万葉を歩く会」代表の川島芙美子さんや、島根県立八雲立つ風土記の丘の松本岩雄所長の話に耳を傾けながら、往復約4キロの歴史散歩を満喫した。

 県立図書館(松江市)が毎月開催している定例文化講座「万葉集を読む」の特別編として、普段の座学から雰囲気を変え、フィールドワークを企画した。

 出発を前に、川島さんが万葉集に収められた「飫海の河原の千鳥汝が泣けば吾が佐保河の念ほゆらくに」という和歌を紹介した。奈良の都から出雲に派遣された国司が単身赴任のわびしさを詠んだ歌とされるが、川島さんは「飫海」(おうのうみ)に着目。仁徳天皇とつながりがあった出雲臣の祖「淤宇宿禰」(おうのすくね)の存在を日本書紀の記述などから知っていたとし、「奈良の都に匹敵するにぎわいだ」と出雲をたたえた歌とする新たな解釈を提示した。

 風土記の丘ガイダンス棟を出発した一行は、県史跡・岩屋後古墳、六所神社などを経て出雲国府跡へ。松本所長が、国庁跡の発掘調査に触れて「国庁よりも古い土層から5世紀頃の大規模建物跡が出土した」と説明。淤宇宿禰の居宅だった可能性を示唆した。参加者はこの地が「意宇」(おう)と呼ばれた当時の繁栄に思いをはせながら、歩みを進めた。